企画部や経理・財務部門に所属していない、一般の人向けに書かれた会計の入門書。簿記の知識がなくても、簡単に貸借対照表や損益計算書の意味がわかる内容。
企業活動による「利益の変化」がどのような仕組みで起こるのか、基本的な動きをジグソーパズルのような図として、覚えようというもの。
■決算書の動的な変化を学べ
「利益を獲得する」ために必要な会計知識は、財務・経理部門に求められる決算期を迎えてから作成する「静的な決算書」の知識ではない。自社の決算書と自分の行動の関係を知るための「動的な決算書」、つまり「決算書の動的な変化」に関する知識である。
一般部門に属する99%の人々に必要なものは、決算書を読むための「会計知識」ではなく、自らの行動によって生じるひとつの会計ブロックの積み方を考える「会計意識」である。
そのためには、以下の5つの視点が大切である。
①損益の改善
売上のブロック、費用のブロックを個別に改善しても、収益と費用の差額である利益の段階で改善されなければ意味がない。例えば、販売管理費が増加しても、それ以上の売上増加が見込めるなら、損益レベルの改善は可能。
②将来の費用
費用のブロックを生み出す元を探していくことで、新たな改善策が見える。資産の質を高めることは、長期的な利益の獲得に貢献し、経営の効率性を高める。
③将来の収益
今期の収益だけでなく、将来の収益増加の元になる投資的な支出の質を検討する。「費用」として処理される「広告宣伝費」や「研究開発費」などには将来的な収益獲得に貢献するものもある。
④キャッシュフローの改善
損益の改善ができなくても、回収条件や支払条件の見直しによってキャッシュフローの改善が図れる可能性がある。
⑤収益性の向上
収益性は利益の絶対額でなく、投下資金に対する利益の割合として表現される。収益性は、利益率の向上によって高められるだけでなく、資産活用の効率性を表す資産回転率の向上によっても改善することが可能。
著者 岩谷 誠治
株式会社会計意識代表取締役 公認会計士、税理士、システム監査技術者 資生堂を経て朝日監査法人(現あずさ監査法人)に入社。1994年公認会計士登録。アーサーアンダーセンビジネスコンサルティングを経て、2001年に独立、岩谷誠治公認会計士事務所を開設。
帯 磯崎哲也事務所代表 磯崎 哲也 |
404 Blog Not Found 小飼 弾 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 会計を学んで儲かるのか | p.11 | 19分 | |
第2章 商売の記録と決算書 | p.49 | 9分 | |
第3章 パズルの絵 | p.67 | 31分 | |
第4章 虚妄のキャッシュフロー計算書 | p.127 | 21分 | |
第5章 普通の人が普通に使う会計 | p.167 | 14分 | |
補章 30分で学ぶ決算書の読み方 | p.195 | 24分 | |
あとがき | p.241 | 2分 |