織田信長、坂本龍馬、スティーブ・ジョブズなど、歴史のページをめくってきたのは、異端と呼ばれる人たちであった。
日本の宗教もまた、異端と呼ばれる人たちが、道を切り開いてきた。12人の異端の宗教者を紹介しながら、その「異端力」について語っている。
閉塞感漂う現代の日本にこそ、異端の力が求められると説く。
■異端こそ歴史を変える
日本を元気にしようと思うなら、この国を常識人で埋め尽くしてはいけない。今必要なのは、現状打破するためのビジョンと行動力をもつ「型破り」の非常識人である。
非常識人は、どうしても異端扱いされる。しかし、歴史のページをめくることは、異端にしかできない。
日本人は、この国の「文化の祖型」がどういうものか理解し、それに沿ったライフ・スタイルを形成していけば、もっと楽な生き方ができる。今のような表面的な幸福ばかり追い求め、縄文時代から脈々と伝承されてきた精神文化をないがしろにしたまま、アメリカ的価値観に基づいたコピペ文化を追求していけば、日本はますます薄っぺらな国になり、衰退の一途をたどらざるを得ない。
一人でも多くの日本人が、この国に伝わる精神遺産の素晴らしさに気づき、新しい歴史のページをめくるために、それぞれの立場で希望に満ちた異端となって欲しい。
著者 町田 宗鳳
1950年生まれ。広島大学大学院総合科学研究科教授 14歳で出家し臨済宗大徳寺で修行。34歳で寺を離れ、渡米。ハーバード大学で神学修士号、ペンシルバニア大学で博士号を得る。プリンストン大学助教授、国立シンガポール大学准教授、東京外国語大学教授を経て現職。 国際教養大学客員教授、広島大学環境平和学プロジェクト研究センター所長などを務める。
帯 編集者 松岡 正剛 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 2分 | |
第一章 歴史のページは「異端」がめくる | p.11 | 24分 | |
第二章 日本仏教を発展させた異端の力 | p.53 | 46分 | |
第三章 異端は人間社会の宝物 | p.135 | 24分 | |
第四章 自分の中の異端力を高めよう | p.177 | 22分 | |
あとがき | p.217 | 2分 |