多彩な分野の知識を持つ作家、荒俣宏氏による人生を生き抜く思考法。
好きでないことを好きになる方法、人生丸儲けと感じる方法など、ユニークな考え方と勉強法を紹介しています。

他人の目を気にせず、自分の好きなことを見つけて、それをとことん磨け。それがやがて武器となり、幸福になる方法でもあると説いています。


■0点主義とは
世の中にはストライクでなくても、バッターをアウトにできる球はいくらでもある。ボール球で空振りが取れれば、それはストライクと同じ効果がある。しかし、こういう球は、試験でストライクかどうかを判定すれば、ボール、つまり0点にしかならない。

人生の知力という点で、ストライクを投げる能力ではなく、ここぞの場面で相手を空振りさせる「決め球」があれば、0点でも人生は必ず開ける。この決め球を見つけ、磨くには、ストライクを投げる練習では意味がない。球を投げることをおもしろく、楽しくすればいい。好きなことは、誰でも他人に言われなくてもやる。

0点主義とは、点数という束縛から離れて、様々な知的関心を楽しく広げていくことだといえる。そのような「幸福色」をした知識や体験は、必ずいつか、他人をも幸福にする。

著者 荒俣 宏

1947年生まれ。作家 大学卒業後、10年間のサラリーマン生活ののち独立。百科事典の編集助手をしながら書いた小説『帝都物語』がベストセラーになり、日本SF大賞受賞。『世界大博物図鑑』で、サントリー学芸賞受賞。 神秘学、博物学、風水等多分野にわたり精力的に執筆活動を続け、その著書、訳書は三〇〇冊を超える。武蔵野美術大学客員教授、サイバー大学客員教授