登山というものは、山に登るだけでなく、下山することも大切な過程であると説く。戦後の復興から60数年、日本は世界の経済大国という山頂にまで登りつめた。そして、これからは、実り多き下山をこそ思い描くべきとする。
これからの日本はどのような方向に進むべきか。
その一つの考え方が提示されています。
戦後60数年、私たちは上を目指して頑張ってきた。いわば登山することに全力をつくしてきた。しかし、登山という行為は、頂上を極めただけで完結する訳ではない。私たちは、めざす山頂に達すると、次は下りなければならない。頂上を極めた至福の時間に、永遠にとどまってはいられない。
私たちの再生の目標は、どこにあるのか。再び世界の経済大国という頂上を目指すのではなく、実り多い成熟した下山をこそ思い描くべきではないか。
著者 五木 寛之
1932年生まれ。小説家 大学中退後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、1966年「さらばモスクワ愚連隊」で小説現代新人賞、1967年「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞、1976年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞を受賞。 代表作に『朱鷺の墓』『戒厳令の夜』『蓮如』『風の王国』『大河の一滴』『日本人のこころ』など。
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ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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まず、はじめに | p.9 | 5分 | |
いま下山の時代に | p.19 | 23分 | |
下山する人々 | p.65 | 20分 | |
いま死と病いを考える | p.105 | 17分 | |
大震災のあとで | p.139 | 6分 | |
ノスタルジーのすすめ | p.151 | 34分 | |
おわりに | p.221 | 1分 |
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