ハーバード大学、スタンフォード大学、MITなどで教科書として採用され、15年以上読み継がれる名著。
ハイテク業界において、新製品を市場に浸透させていく際に見られる、初期市場からメインストリーム市場への移行を阻害する深い溝『キャズム』。
このキャズムを乗り越えた後、ハイテク製品がどのような市場環境に置かれ、普及していくか、そこではどのような戦略を取るべきかを分析している。
※キャズムについては以下参照のこと
http://www.bookvinegar.jp/book/11587
テクノロジー・ライフサイクルが大きな転換点に差し掛かるたびに、とるべきマーケティングの戦略は、正反対になる。キャズム以降の3つの市場における戦略は次の通りである。
①ボウリング・レーン
・エンド・ユーザーを重視する。
・特定の業務に向けて、ホールプロダクトの差別化を心がける。
・価値にもとづく価格設定を行い、利益幅を最大限に確保する。
・競争を避け、ニッチ市場でシェアを獲得する。
②トルネード
・エンド・ユーザーは無視する。
・あらゆる業務向けの汎用製品として、ホールプロダクトをコモディティ化する。
・競争に基づく価格設定を行い、市場シェアを最大限に確保する。
・競合他社に攻撃を仕掛け、大衆市場でシェアを獲得する。
③メイン・ストリート
・エンド・ユーザーを重視する。
・コモディティ化したホールプロダクトに、特定のニッチ向けの「プラスワン」を加えて、製品の差別化を図る。
・「プラスワン」の付加価値を訴えて、高いマージンを確保する。
・自社内の低価格製品に牙をむき、マージンの多さで圧倒する。
著者 ジェフリー・ムーア
1946年生まれ。TCG Advisors社 創設者兼経営パートナー キャズム理論の創始者として知られるマーケティングの世界的権威。米国ビジネス界を代表するコンサルタント。シリコンバレーの有名なベンチャー企業であるMohr、Davidow Venture社の出資パートナーでもある。 代表的著書『キャズム』は、1991年の初版刊行時からハイテク関連企業のバイブル的存在となり、スタンフォード大学ほか、多くの一流ビジネススクールにて課題図書となっている 。
帯 アップル創業者 スティーブ・ジョブズ |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 トルネードとは何か | p.14 | 10分 | |
第2章 キャズム―飛翔の前の試練を越える | p.26 | 15分 | |
第3章 ボウリング・レーン―「ニッチ」で連鎖反応を | p.45 | 38分 | |
第4章 トルネード―ひたすら売って勝利せよ | p.93 | 43分 | |
第5章 メイン・ストリート―「勝者の壁」を攻略する | p.147 | 33分 | |
第6章 自分の立ち位置を正確につかむために | p.189 | 21分 | |
第7章 戦略的パートナーシップの意義と問題点 | p.218 | 24分 | |
第8章 優位に立つための必須条件 | p.248 | 29分 | |
第9章 間違いだらけのポジショニング | p.285 | 18分 | |
第10章 実行のための社内体制強化法 | p.308 | 21分 |
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