2010年代、時代の振り子はどう動くか
未来予測は意味がない。予測するのではなく潮目を読むためには、すべての物事を「対義語」で考える。今が「豊か」なら、次は「清貧」、今が「個人主義」なら次は「全体主義」に振り子は振れる。
・個人から全体へ
ノマドは例外的だが、今後の日本は個人主義から、全体主義に振れる。バーチャルでムラ社会が復活し、衆人環視社会が到来する。
・革新から保守へ
日本は革新しながら成長してきた。次々に新しい価値観が誕生し、その都度人々は変化した。次にくるのは保守。公務員が人気になっているように、士業が再び人気となる。
・豊かさから潔さへ
豊かさの次は質素。ただの節約ではなく、かっこいい節約、即ち「潔さ」に振れる。大金持ちのチャリティーはその事例。
・大から小へ
片付け本ブームや「小さな政府」への志向から、これからは大から小に振れる。高齢者の手じまいの指針となる本が必要とされる。
・複雑からシンプルへ
不安定な社会だと、人間は安定した模様やデザインを求める。iPhoneのようなシンプルでシンメトリーなデザインの人気は、ここしばらく続く。
・成功から幸せへ
仕事の成功の先に幸せがあった価値観が壊れた今、ビジネスの成功よりも暮らしの安定を求めるようになった。成功と関係のない幸せを多くの人が求めている。幸せ探しのニーズは継続する。
ビジネス書の選び方
・マイナーな本を探す
売れている本、ベストセラーの本を読んで手にした武器で戦えば、激戦区に行く事になる。あえて「売れていない本とマイナーな本」を探す。アマゾンの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というリンクでは、決して辿り着けない。
勉強になる本の中に出てくる参考文献や、著者が文中で振れている本を購入する。それを読んで面白いと思った本のアマゾンのリンクを利用する。
・書店で立ち読みして探す
書店に行って立ち読みしてから買う習慣を失わないこと。立ち読みは、本の初めの方に注力する。いい本は前書きか第一章に必ず面白いことが書いてある。20ページパラパラめくるだけで、損をしない確率が高まる。
・新刊や話題書は「4つの指標」で選ぶ
「タイムリーである」「信頼できる」「有名すぎない」「実用的である」
・翻訳者は著者と訳者で選ぶ
トレンドの翻訳書を選ぶには、著者を知っていることが大事。優秀な著者であれば、まず外さない。訳者に関しては、青木薫さん、井口耕二さんなどオススメ。
ビジネス書の読み方
・自分の基礎となる定番書を読む
・書き手の立場に立って読む
・悪文の時は「固有名詞・数詞・動詞」しか見ずに読みこなす
・ベストセラーは先を読むための材料くらいの距離を置いて読む