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2012/06/27更新

愛されるアイデアのつくり方

173分

7P

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アイデアの法則

①「戦略」なきところに、アイデアなし。
エステーのCMはよく「奇策」と言われるが、奇策を狙っている訳でない。すべてのアイデアは、エステーという会社が置かれている状況に対応するために生み出された戦略的なものである。

ヒットCMの公式は「有名人×放送回数」である。とにかくカネが必要となるが、そこでは勝負できない。この場合、とにかく「無難なアイデアではダメ」ということははっきりしている。

但し、そこに「押し付けがましさ」があってはいけない。心の中にほんの少しでも温かいものを感じてもらえるようなCMが必要だ。これまでのアイデアは、この基本戦略を実現するために生み出されてきた。まずどこを目指すのか明確にすること。

②「常識」を見つけたらチャンスと思え。
CMは何度も見せて視聴者の心に刷り込むという手法で成り立っている。当時、「連続ドラマCM」は、業界では奇策と囁かれた。しかし、これは業界の多くの人が常識にとらわれて「思考停止」になっているから。自分の頭で考えれば、常識を踏み越えることはできる。それこそ、少ない予算しか持たない弱者の取るべき戦略である。

③必ず現場に行って、五感で真実を感じる。
CMづくりの本質は「相手のことを知る」「自分のことを知る」「相手と自分をつなぐアイデアを見つける」という3つに尽きる。

コトの本質は調査資料の「言葉」や「数字」だけではつかめない。「お客様を理解する」には現場に身を置かねばならない。

④「お客様と同じ目線は持てない」と肝に銘じる。
一人ひとりのビジネスマンは「自分」という人格をもって生きている。しかし、企業コミュニケーションを行う時、「自分」という個人人格ではなく、必ず「企業人格」を背負うことになる。会社で働いていると、お客様と自分の目線がずれていく。だからこそ、自らの無力を自覚し、お客様の目線に少しでも合わせる努力が必要となる。

⑤「お客様が常に正しい」と考える。
情報を持っているビジネスマンは、情報や知識を持たないお客様に対して、「上から目線」になってしまう。その結果、伝えたいことが伝わらず、反感すら買うことがある。お客様は感情豊かな「ひと」であることを忘れないこと。

⑥頭でっかちにならず、心でお客様と会話する。
嘘のない心で、まっすぐお客様と向き合う姿勢こそ、大切なものをお客様に伝える「力」を生み出す。

⑦「ぶれない軸」をつくって、アイデアに魂をこめる。
CMをつくるために、最も重要なのは「想い」である。その「想い」とは、企業がどのような姿勢で広告を打つのか、どのような姿勢でお客様とコミュニケーションを取るのかという「大きな軸足」に他ならない。エステーは「みんなをほっと笑顔にする、突き抜けたCMをつくる」という軸を持っている。