『消臭力』『ムシューダ』等のユニークなヒットCMを生み続けるエステー。その特命宣伝部長であり、CMの仕掛人である著者が、どのようにCMを企画しているか、その発想法について語っている。
元々、雪印の社員であった著者は、2000年に起きた「雪印事件」でクレームの最前線に立つ。そこから学んだ、顧客との向き合い方を、今のエステーのCMに生かしている。
「奇策」と言われるエステーのCMの舞台裏から、愛されるアイデアの作り方を学ぶことができる。
■アイデアの法則
⑧「コンセプト」「インパクト」という言葉は使用禁止。
「コンセプト」「インパクト」は重要な考え方だが、表面的な理解のもとでこれらの言葉を使用すると、かえって「考える」ことができなくなる。
⑨「成功」を捨てた時、アイデアは生まれる。
成功するとは、お客様に「消費」されているということに他ならない。一本のCMに飽きるだけでなく、そのCMの手法をも消費していく。作り手が「手法」にこだわり出す時、そこにはお客様がいない。だからこそ、「手法」を捨てなければならない。そして、いつもゼロの地点に立ち戻ることで、お客様と向き合う。
⑩ブランドは企業のものではなく、みんなのものだ。
ブランドは会社だけのものではない。お客様も含めたみんなのものだ。そこに愛情があれば、きっとブランドは生まれる。
⑪「だけど、やる」から、アイデアに出合える。
「くだらないもの」は決してふざけて作れるものではない。身を削るような真摯な姿勢で取り組まなければ、「くだらないもの」を生み出すことはできない。
考えて、考えて、アイデアの神様が微笑んでくれるまで考える。これは、愛されるアイデアを作り上げる上で絶対に書かす事ができないプロセスである。
優れたアイデアとは、特別な才能のある人の頭の中にあるのではない。自分の「想い」に正直に、まっすぐに壁にぶつかる。「だけど、やる」という言葉を胸に精一杯突き進む。そこにドラマが生まれた時、アイデアは生まれる。それは、生き方次第で、誰にでもできることなのだ。
著者 鹿毛康司
1959年生まれ。エステー株式会社宣伝部長 別名、特命宣伝部長 高田鳥場。 大学卒業後、雪印乳業に入社。雪印集団食中毒事件、牛肉偽装事件の被害者対応の最前線に立つ。 2003年エステー入社。宣伝部長として広告すべてのクリエイティブディレクターを務める。同社の広告予算は同業他社の5分の1程度だが、CM好感度ランキング上位に入るCMを続々と制作。2011年には震災復興の願いを込めた「消臭力~ミゲル君」でついに好感度ランキング1位を奪取。
日経ビジネス |
週刊 ダイヤモンド 2012年 7/21号 [雑誌] 三省堂書店営業本部課長 鈴木 昌之 |
tokuriki.com 徳力 基彦 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊 ダイヤモンド 2013年 4/6号 [雑誌] 紀伊國屋書店和書仕入本部係長 水上 紗央里 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ 少年が歌い出した瞬間 | p.14 | 22分 | |
第1章 「奇策」こそ王道だ | p.52 | 16分 | |
第2章 とことんお客様と向き合う | p.80 | 36分 | |
第3章 アイデアが生まれる「場」をつくる | p.142 | 25分 | |
第4章 アイデアとはドラマである | p.186 | 23分 | |
エピローグ あの空のくものように | p.226 | 6分 |
エステー消臭力CMの秘密!人の心をつかむアイデアのつくり方 ~本『愛されるアイデアのつくり方』
http://kosstyle.blog16.fc2.com/blog-entry-1779.html
2012-06-20
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