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2012/07/14更新

快感回路---なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか

267分

3P

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快感を感じる仕組みの解説書

肥満は遺伝が原因、恋愛と性的興奮は別物、薬物依存になる仕組みなど、数々の実験を紹介しながら、人が快感を感じる仕組みを紹介しています。

ギャンブルや高カロリー食などの悪習であれ、祈りや瞑想のような文化的慣習であれ、快感を感じるのは脳の中の同じ領域。人を反復行動に導くのは快感であると説明し、結局のところ、最後は人間の問題に行き着くと主張している。

ここから得られる教訓は何だろうか。

超短要約

人間と快感との関係は、複雑かつ微妙なものである。私たちは、快感を追い求めることに、とてつもない時間と費用と労力を注ぎ込んでいる。私たちが何かをしようとする時、その動機付けの鍵となるのは快感である。そもそも人類が生存し、遺伝物質を次世代に伝えていくためには、食べ物、水、セックスが報酬的なものと感じられなければならない。

快感の中には、祈りや音楽、舞踏や瞑想のように人間の文化活動の奥深くに根付いているものもある。一方で、私たちは影響力の強い快感をコントロールしようとする。私たちが作り上げてきた法律や宗教や教育制度はどれも、快楽のコントロールと深く関わる。セックス、ドラッグ、食べ物、アルコール、ギャンブルに至るまで、人類は細々とした規則や慣習を作り上げてきた。

非合法な悪習であれ、社会的に認められた儀式や習慣であれ、私たちが生活の中で「日常から外れた」と感じる経験はほとんどの場合、脳の中の「快感回路」を興奮させるものである。買い物、オーガズム、学習、高カロリー食、ギャンブル、祈り、オンラインゲーム、これらはいずれも、脳の中で互いにつながり合ったいくつかの決まった領域へと収束する神経信号を生み出す。この脳領域を内側前脳快感回路と呼ぶ。人間の快感は、この小さなニューロンの塊の中で感じられている。

快感回路は人間に生来備わるものだが、コカインやニコチンやアルコールなどの刺激物によって意図的に乗っ取ることもできる。法律や宗教や社会道徳が熱心に取り締まろうとするのは、この内側前脳快感回路である。

この回路は、依存症というもう一つの戦いの場でもある。依存症の特徴である耐性や渇望、離脱症状、再発といった根底には、神経機能の変化が存在する。この変化は、経験や学習によるものとほぼ同じものであり、記憶と快感と依存症は密接に絡み合っている。

著者 デイヴィッド・J・リンデン

1961年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授 主に細胞レベルでの記憶のメカニズムの研究に取り組むとともに、脳神経科学の一般向けの解説にも力を入れている。

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情報考学 Passion For The Future 情報考学 Passion For The Future
橋本 大也
帯
東京大学准教授 池谷 裕二

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ p.7 6分
第1章 快感ボタンを押し続けるネズミ p.15 19分
第2章 やめられない薬 p.37 38分
第3章 もっと食べたい p.81 26分
第4章 性的な脳 p.111 29分
第5章 ギャンブル依存症 p.145 22分
第6章 悪徳ばかりが快感ではない p.171 22分
第7章 快感の未来 p.197 22分

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