今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2012/07/05更新

商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道 (光文社新書)

  • 新 雅史
  • 発刊:2012年5月
  • 総ページ数:221P

170分

14P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

アマゾン詳細ページへ

商店街の崩壊の歴史を学び、その再生を考える

商店街は、どのように発展し衰退したのか?
商店街の歴史をひも解きながら、商店街の再生について論考する。


■商店街のはじまり
商店街は決して伝統的なものではない。現代の商店街は、第一次世界大戦後、農村部から都市部へと流れ出る人々を、中間層化して社会秩序に統合するという目的のために形成された。

第一次世界大戦後、農村は長引く不況に苦しんだ。そのため、多くの人々が農業をやめて都市に出てきた。しかし、彼らを吸収するほど都市には雇用がなかった。多くの離農者は商売を営むことになり、零細小売商が大きく増えた。

一方、これは都市住民にとって歓迎すべきことではなかった。当時、物価の乱高下や粗悪品の流通が起きていたが、小売業者の秩序なき増加がその原因と考えられた。都市の消費者は、自己防衛のために協同組合を設立しようとし、零細小売商との対立を生んだ。また当時、圧倒的な資本力によって販売戦略を展開した百貨店も、零細小売商と激しく対立した。

専門性もなく質の高くない、多くの零細小売商は、簡単に事業に行き詰まった。この問題を解決する方法が、商店街だった。小売店を組織化して規模を拡大し、専門性を高める。
1940年代は、小売業の転廃業と免許制・距離制限が実施され「地元商店街」が制度化されていった。

超短要約

日本の商店街は、地域のシンボルなどと喧伝される割には、家族という閉じた中で事業が行われ、その結果、わずか一、二世代しか存続できないような代物だった。実体としての近代家族が衰退している中で、商店街だけが生き残る訳がない。

家族経営を前提とした規制は、外部者が入り込むことができず、流動性を著しく低くしてしまう。規制は、業界の保護のためでなく、地域で暮らす人々の生活を支え、地域社会のつながりを保証するために存在する。

新しい商店街は、地域社会が土地を管理し、意欲ある若者に貸し出し、資金のバックアップもするという仕組みが作られるべきだろう。

著者 新 雅史

1973年生まれ。学習院大学非常勤講師

この本を推薦しているメディア・人物

日本経済新聞 日本経済新聞
帯
東京大学名誉教授 上野 千鶴子
帯2 帯2
北海道大学准教授 中島 岳志
情報考学 Passion For The Future 情報考学 Passion For The Future
橋本 大也
週刊 ダイヤモンド 2012年 7/28号 [雑誌] 週刊 ダイヤモンド 2012年 7/28号 [雑誌]
丸善丸の内本店「松丸本舗」売場長 宮野 源太郎
エコノミスト 2012年 9/4号 [雑誌] エコノミスト 2012年 9/4号 [雑誌]
早稲田大学教授 原田 泰
WEDGE WEDGE
エコノミスト 2012年 9/18号 [雑誌] エコノミスト 2012年 9/18号 [雑誌]
慶応義塾大学教授 小熊 英二
週刊 ダイヤモンド 2012年 12/22号 [雑誌] 週刊 ダイヤモンド 2012年 12/22号 [雑誌]

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
序 章 商店街の可能性 p.7 3分
第1章 「両翼の安定」と商店街 p.13 22分
第2章 商店街の胎動期(1920~1945)――「商店街」という理念の成立 p.49 28分
第3章 商店街の安定期(1946~1973)――「両翼の安定」の成立 p.95 27分
第4章 商店街の崩壊期(1974~) ――「両翼の安定」の奈落 p.139 34分
第5章 「両翼の安定」を超えて ――商店街の何を引き継げばよいか p.195 10分
あとがき p.213 6分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ) 災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)
[Amazonへ]
日本の経営 〔新訳版〕 日本の経営 〔新訳版〕
[Amazonへ]
家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平 (岩波現代文庫) 家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平 (岩波現代文庫)
[Amazonへ]

ユーザーのしおりメモ (1)

Vader

商店街の再生の道として、外部の人にお店を貸すなどの取り組みをあげている。確かに立地は良いところにあるので、シャッター街にしておくのはもったいない。
2011-12-08