天才コラムニストと称される著者の文章論。
コラムを書くものの心得から、書き出し、結論、文章の書き方まで、独自の視点で文章術を紹介している。ユニークな文体で書かれており、単なる文章の書き方講座といった内容にとどまらない。
面白い文書を書くとは、どういうことか。そのお手本となる1冊。
「創造性」と「批評性」のどちらか一方が欠けても、優れた文章は書けない。「創造性」だけで書かれた原稿は、独創的であるかもしれないが、時に独善的に見えるし、度を越して斬新な文章は、そもそも人々に理解されない。
といって「批評性」の名において全面的にカドを取られた文章からは、独自性が姿を消してしまう。常識的で、平板で、保守的で、当たり前な、わかりやすくはあっても少しも面白くない没個性な文章。こんなものを書くくらいなら、コラム用の枠を求めるべきではない。
文章を書く人間には、「批評性」と「創造性」という二つの異なった能力が必要で、それら相反する資質を上手に運営しなければ、良い文章は書けない。
著者 小田嶋隆
1956年生まれ。コラムニスト 大学卒業後、味の素ゼネラルフーヅに就職したが、入社翌年の1981年に退職。小学校事務員見習い、ラジオ局AD、ロックバンド座付き作詞家などを経て、テクニカルライターとなった。 1988年、コンピュータに関連する事項を軽妙に描いたコラム集 『我が心はICにあらず』以降はコンピュータ関係にとどまらず、様々な事物を辛口に論じるコラムニストとなった。
帯 ジュンク堂書店仙台ロフト店 佐藤 純子 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
帯2 紀伊國屋書店梅田本店 浅山 太一 |
帯3 三省堂書店営業本部 内田 剛 |
日経ビジネス |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 2分 | |
第一回 コラム道に至る隘路 | p.10 | 3分 | |
第二回 コラムとは何か | p.16 | 5分 | |
第三回 コラムと枠組み | p.26 | 7分 | |
第四回 会話はコラムの逃げ道か | p.40 | 10分 | |
第五回 モチベーションこそ才能なり | p.60 | 11分 | |
第六回 書き出しについてのあれこれ | p.82 | 8分 | |
第七回 結末、結語、落ち、余韻、着地 | p.98 | 11分 | |
第八回 コラムにメモはいらない? | p.120 | 7分 | |
第九回 文体と主語(その1) | p.134 | 4分 | |
第十回 文体と主語(その2) | p.142 | 7分 | |
第十一回 推敲について | p.156 | 8分 | |
第十二回 すべては要約からはじまる | p.174 | 8分 | |
第十三回 裏を見る眼 | p.190 | 7分 | |
第十四回 長さとコラム | p.204 | 10分 | |
特別対談 小田嶋隆×内田樹 | p.225 | 13分 | |
あとがき | p.251 | 1分 |