日本初の情報誌『ぴあ』の誕生から、終焉までの物語。
『ぴあ』は1972年7月、中央大学4年生だった矢内廣と仲間たちによって創刊された、映画・演劇・コンサートなどの上演情報が掲載されている総合情報誌である。
70年代、80年代に東京で学生生活を過ごした若者の多くは、観たい映画と上映時間を『ぴあ』でチェックしたはずである。ネットもない時代、『ぴあ』は時代の波に乗り、ピーク時の80年代後半には発行部数53万部にまで達した。
やがて、その役割を終えて2011年休刊となった。
『ぴあ』が歩んできた70年代以降の時代の空気感が込められた1冊です。
『ぴあ』が創刊した1972年は、田中角栄が『日本列島改造論』を発表した年であり、昭和が終わった1989年は、バブル景気の真っ盛り。その間は右肩上がりの時代だった。
大阪万国博覧会が開催された70年代以降、高度経済成長に乗って地方から上京してきた大学生たちは、思想やイデオロギーではなくエンタテインメントを求めた。自分達と同世代が作ったカルチャーを求めた。その時代の気分に『ぴあ』の発信する情報が同調し、広く受け入れられた。
著者 掛尾 良夫
1950年生まれ。キネマ旬報映画総合研究所 エクゼクティブディレクター 広告代理店を経て、1978年にキネマ旬報社入社。NHKサンダンス国際賞の立ち上げ、韓国の映画週刊誌「シネ21」との提携、「キネマ旬報」編集長などを歴任後、2004年キネマ旬報映画総合研究所所長に就任。2010年同エクゼクティブディレクターに就任
経済界 2012年 4/3号 [雑誌] エッセイスト 藤原 作弥 |
週刊 ダイヤモンド 2012年 4/7号 [雑誌] エンターテインメント・アナリスト 笹井 裕子 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序章 『ぴあ』の休刊 | p.9 | 5分 | |
第1章 『ぴあ』の胎動 | p.17 | 21分 | |
第2章 『ぴあ』の誕生 | p.53 | 27分 | |
第3章 『ぴあ』の躍進 | p.99 | 34分 | |
第4章 『ぴあ』の挑戦 | p.157 | 23分 | |
第5章 『ぴあ』の成熟 | p.197 | 19分 | |
第6章 『ぴあ』の時代 | p.229 | 8分 | |
あとがき | p.242 | 5分 |