CIAにおいて最強のスパイとうたわれた著者が、ビジネスに使えるスパイのテクニックを紹介しています。

■CIAの諜報活動とは
アメリカの諜報機関の任務は、大統領と政策担当者に正確で客観的な機密情報を、素早く確実に届けることである。

機密情報を入手し、信頼できる情報を絞り込み、それを運ぶという一連の「情報収集活動」を行うには、協力者のスカウト、偵察衛星の開発、暗号の解読などの仕事もこなさなければならない。

スパイ活動には、変装、侵入、盗聴などのテクニックも必要だが、一番重要なのは、こうした情報に関わる「技術」である。つまり、情報を入手して処理、分析し、わかりやすく明瞭な言葉にして意思決定者に提供する技術が求められる。

CIAの情報収集には、次の4つの手段が用いられる。
①人間による情報収集
②電子信号などの信号を傍受する無線諜報
③偵察衛星から撮影した画像を読み取る
④一般公開されている情報を集める

情報を集めた後は分析に移る。分析段階では「条件を満たし、必要とされている情報はどれか？」「信頼に足ると確証できる情報はどれか？」「その情報は論理的か？」「直感的に正しいと感じられるか？」といった問いを基に分析する。

分析の後、アメリカ大統領や政策担当者のために情報を報告書という形に仕上げる。

CIAの諜報活動のサイクルは、次の三段階に分けられる。
情報収集　→　分析　→　伝達

情報機関は、正確で客観的な情報を適時に政策担当者に提供することを期待されている。つまり、一番の役割は、権力者に真実を伝えることである。

著者 マリアン・カリンチ

作家 これまでに17冊の本を上梓している。

国際スパイ博物館 代表 CIAで36年間勤務し、そのうち25年間は国家秘密本部で働いた。他にも米海兵隊員として現場で働いた経験もある。 現在はワシントンD・Cにある国際スパイ博物館の代表を務め、マスコミにもよく登場する。