起業家でジャズミュージシャンでもある著者が、新しいアイデアをひらめく方法を紹介している。これからの時代は、企業も個人も創造力が最も重要であると説き、創造力はトレーニングできるとする。
アイデアを創出して、実行するまでに必要なテクニックやコツがまとめられており、すぐに使える内容になっている。
■ひらめきトレーニング
生れつき備わっている創造力は全体の20%に過ぎず、残りの80%は後から習得する。「ひらめきトレーニング」は誰もが創造力を高めることのできるシステムであり、次の5つのステップを踏んでいく。
①問いかける:創造力を必要とする課題を特定する
②準備する:最大限の創造力が発揮できるよう、心と環境を整える
③発見する:内に眠る創造性に触れ、ひらめきを誘発する
④火をつける:ひらめきを形にする
⑤実行に移す:創出したアイデアを客観的に分析、評価し、計画を立てる
■創造力の時代
ビジネスの世界は従来の縦割り社会でなくなり、競争優位を保てる期間が短くなった。たとえ優位に立っても、世界中の競合他社にすぐさま模倣されてしまい、優位性を保てない。創造力の競い合いに拍車がかかるようになったのは、次の4つが原因である。
①コモディティ化が進み、差別化できるのは価格だけになってしまった
②ビジネスサイクルが速くなり、規模の大きさにものを言わせる時代は終わった
③アイデアを市場で実現させる障壁が低くなった
④グローバル化やアウトソーシングが可能となり、コストが低くなった
これからの時代、ビジネスで成功するには、創造力を活用して既成概念をぶち壊す変化を生み出し、現状に取って代わる力が必要である。末永く優位性を保てるのは「創造力」以外にない。創造力なら、模倣も複製もされない。
著者 ジョシュ リンクナー
eプライズ 会長 起業家、ジャズ奏者、ベンチャー投資家、講演家、作家と多彩な顔を持つ。プロモーション会社、eプライズ(ePrize)を創設し、同社を世界最大のインタラクティブ・プロモーション会社に育て上げた。現在は同社の会長を務める。 eプライズは、37カ国のトップ100ブランドのうち、74のブランドのデジタル・プロモーションを手がけたほか、数々の賞も受賞している。 また、著者個人も、2003年にクレインズデトロイト部門の40アンダー40、2004年にアーンスト・アンド・ヤングが創設したアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー、2005年にテクノロジー事業団体、オートメーション・アレーが選出するCEO・オブ・ザ・イヤー、2009年にデトロイト・エグゼクティブ・アソシエーションが選出するエグゼクティブ・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
帯 フォード・モーター会長 ビル・フォード |
帯2 作家 シャーリーン・リー |
帯3 ザッポスCEO トニー・シェイ |
帯4 作家 キース・マクファーランド |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.12 | 6分 | |
第1章 創造力とは何か | p.19 | 12分 | |
第2章 ひらめきトレーニング | p.34 | 13分 | |
第3章 チャレンジ課題を特定しよう | p.52 | 17分 | |
第4章 好奇心をかり立て、注意力を研ぎ澄まそう | p.73 | 18分 | |
第5章 創造的に考える頭と文化をつくろう | p.96 | 29分 | |
第6章 創造への情熱を燃やす環境を整えよう | p.132 | 12分 | |
第7章 創造への道を見つけよう | p.148 | 15分 | |
第8章 創造力に火をつけよう | p.168 | 19分 | |
第9章 創造の火花を炎に変えよう | p.192 | 19分 | |
第10章 アイデアを世に送り出そう | p.216 | 19分 | |
おわりに | p.240 | 1分 |
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