ラストクリックの過大評価
インターネット広告には、インプレッション効果(ブランディング・態度変容など)とレスポンス効果(登録・成約など)がある。
アクセス解析を使った現在の測定・評価方法だと、検索(リスティング広告、オーガニック検索)がコンバージョン(商品購入や資料請求などの顧客行為)前のラストクリックとなることが圧倒的に多い。結果、リスティング広告はコンバージョンの獲得効率が良く、バナー広告は悪いと判断される。
しかし、実際にユーザーはリスティング広告でコンバージョンに至るまでに、バナー広告による影響を受けていることが多い。
バナー広告→オーガニック検索→リスティング広告→コンバージョン
つまり、ラストクリックよりも前にユーザーに接触した施策の効果の貢献度も評価すべきである。
バナー広告の間接効果
バナー広告を閲覧した後、そのバナー広告をクリックしてコンバージョンに至るユーザーは4%にとどまる。従来は、この4%しか効果測定してこなかった。
しかし、バナー広告を閲覧した後に検索をしてクリックするアクセス数は、広告のクリック数と同数〜2倍ある。つまり、バナー広告は間接的に、従来の2倍以上のクリックを生んでいる。
アトリビューションとは
アトリビューションとは、コンバージョンに至るまでの流入元(リスティング広告やバナー広告など)の履歴のデータを使い、コンバージョンへの貢献度を各流入元に配分することである。
近年、第三者配信アドサーバーと呼ばれる、各媒体の広告を1カ所に取りまとめて配信する仕組みが登場し、広告効果が見えにくかったディスプレイ広告(バナー広告など)の間接効果測定が可能になってきている。
この効果測定技術の進歩により、ディスプレイ広告の間接効果を含めて、広告全体を評価し、コンバージョンを高めようとするアトリビューション・マネジメントが重要になってきている。
アトリビューション・マネジメント
アトリビューション分析では、コンバージョンに至る流入経路を「初回」「中間」「ラスト」と3つに大別してモデル化する。各流入元のコンバージョンへの貢献度がどのぐらいかを分析する。
分析結果にもとづき、効率の悪い流入元から効率のいい流入元に広告予算を再配分して、コンバージョンが増加するのかをシュミレーションする。現実との乖離を分析し、モデルを修正していく。
これまで測定できなかったディスプレイ広告の初回、中間への貢献度をコストを加味して分析し、効率化できれば、コンバージョンの最大化を図ることができる。コンバージョンは3ヶ月で10%の増加が目安となる。