拡散的思考と集中的思考の両方を使う
私たちは、何らかの提案がなされると、反射的にそれについて検討し、批判し、重要度を分析する。その際、大抵は欠点に目が向けられる。これを集中的思考という。一方、中心的なテーマから離れ、様々な方向へ思考が広がる考え方を拡散的思考という。
思考の達人は両方の思考法を使い分けられる。分析や、計算や、判断が必要な時もあるが、そういうアプローチをしすぎると、考えが制限されたり、窮屈になる。いろいろな可能性を探り、異なる角度から問題にアプローチし、側面から取り組むことが、思考の達人になるためには欠かせない。
反対のことを考える
思い込みに縛られ、反対の証拠を無視するという習慣は、人間の思考の弱点である。一度、仮説を抱くと、その正しさを示す証拠を探そうとし、その反証からは目を背けようとする傾向がある。そして、一旦何らかの納得できる説明が得られると、執拗にそれにこだわる。
思考の達人は確信をよしとしない。もし自分の想定していることが全部間違いだったら、どうなるかを考えてみれば良い。
思い込みを打ち破る
どんな問題に取り組む時も、必ず、そこには何らかの思い込みがあって、そのせいで、解決策の幅は狭められている。思考の達人は常に思い込みに気をつけ、それと向き合おうとする。
思い込みを打ち破るコツ
・すべての人間が、何らかの思い込みをしている事を認識する
・根本的な疑問をいくつも投げかける
・原則や思い込みをリストアップする
・状況を理解するため、単純化して考えてみる
・問題を全く違う言葉で言い換えてみる
問題を分析する
問題の解決に取り組む前に、その背後にある原因を突き止めるため、分析には時間をかける方が良い。
①問題を定義する
②問題を分析する
③解決すべき重要な部分について、優先順位をつける
④順番に取り上げる
⑤いろいろなアイデアを出す
⑥アイデアを比較し、その中から実行可能な最善のものを選ぶ
⑦実行計画を立てる
問う
理解を深めるには問うのが一番良い。思考の達人は、好奇心のかたまりである子供のように、いくらでも質問する。
組み合わせる
優れたアイデアの多くは、すでにあるものをそれまでとは違う新しいやり方で組み合わせることで生まれている。二つの商品を見た時に、それらを頭の中で組み合わせてみるという習慣をつけよう。
水平的に考える
大抵の組織は何らかの先入観によって思考を歪められている、支配的な考えをすべて書き出し、それらの正しさを疑ってみる。すべてをひっくり返し、そこから何が生まれるかを見てみる。