再就職に成功する人の特徴
厚生労働省の調査によれば、希望者全員が65歳まで働ける企業は中小企業で50.7%、大企業で23.8%しかない。さらに70歳まで働ける企業の割合は、中小企業で18.4%、大企業は10.6%にとどまる。
「望ましい退職年齢」を70歳ぐらい以上とする人が男性で半数近くいるのに、継続雇用では65歳までにほとんど辞めなければならないのが現実である。
再就職に成功できるかはどこで決まるのか。これまでに就職が決まった人に共通しているのは次の点である。
①スペシャリストよりコーディネーター
高い技術や能力を持っていることは強みだが、突出している必要はない。それよりも周辺の情報にも通じていることの方が評価される。シニア層が再就職できるのは中小企業であり、そこでは周辺知識をつなげてオリジナリティを生み出す方が重要視される傾向がある。
②コミュニケーション能力のある人
社内で調和が保てると同時に、社外人脈を社内に巻き込むようなコミュニケーション能力は重要である。年齢や過去の地位にこだわらずに付き合う事ができるかが鍵となる。
③体力と気力のある人
「70歳まで働ける人」の法則
①体力アップに努めている
②「特権」を失っても割り切れる
③いくつになっても好奇心が旺盛
④年下に対しても腰が低い
⑤新たに何かを「学ぶ」ことが好き
⑥定年まで「逆算」して準備している
⑦現役時代は目の前の仕事に奮闘
⑧現役時代から人脈づくりを意識
⑨会社の看板なしでも「受注力(頼みやすさ)」がある
⑩「会社・人への恩返し」「社会貢献」「好きなこと」で仕事を選んでいる
定年後の働き方
60〜65歳の人が定年退職した後、最初の勤務先となったのは次の通り。
①定年で辞めた会社:45.7%
②定年前の会社の世話でいった別会社:13.2%
③自分で探して採用された会社:31.4%
④起業した自分の会社:2.3%
⑤親族が経営する会社:0.8%
これまでの経験が武器となるので、基本は前職活用が有利である。しかし、全く別の仕事をしてもよい。選択の幅を狭めないことが大切である。
70歳まで働くためにやっておくべきこと
・スキルを高度化させる
・Plan・Do・Seeのサイクルを自分で回すスタイルを作る
・「こういう道筋を先輩が作ってくれたんだ」と言われる仕事に取り組む
・手のかからない気持ちいい先輩を目指す
・社外で講演する機会を作る
・ブログやソーシャルメディアで情報発信する
・自分専用のデスクを確保する
・家計とは別に個人の会計を持ち、経営感覚を磨く
・社外勉強会などで普段接触しないような人にどんどん会い仲間を増やす
・自分が困った時に相談できるアクティブな人脈を築く