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2012/05/02更新

ストラテジストにさよならを (ゲーテビジネス新書)

  • 広木 隆
  • 発刊:2011年12月
  • 総ページ数:167P

104分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

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塩漬けの罠

短期投資ではマーケット・タイミングがすべてである。しかし、そのタイミングは当てられない。個人投資家が株式運用で成果を挙げる一番確度の高いやり方は、長期投資である。
しかし、投資期間が長くなれば、ダウンサイド・リスクにさらされる機会が多くなる。そのため、長期投資をするにあたっては正しいやり方が必要となる。

人間は利益から得る効用(満足)よりも、損失から得る負の効用(苦痛)の方が大きい。「含み損を確定させる」ことに抵抗感があるのは、「含み損の解消」で得られる苦痛の減少が、新たな投資が利益を生むことから得られる満足より大きいからである。よって、一般的な投資家が、利益が乗っている時はすぐに利食い、損が出ている時は損切りできずに抱え込むことが多い。

損を軽微にとどめるよう意識する

日本株は長きにわたり、右肩下がりであり、この10年TOPIXのリターンはマイナス30%である。しかし、実は東証一部上場企業の48%の銘柄はこの10年のリターンはプラスになっている。

市場全体のトレンドが、右肩上がりでない事を意識すれば、一度買ったらひたすら長期で保有し続けるという事がいかに危険かわかる。

投資において何より大事なことは「大負けしないこと」である。長期投資とは、同じ銘柄を長く保有し続けることではない。長期間、運用し続けることである。そのためには、一度の失敗ですべての投資資金を失うことを避けるのが前提となる。

正しい投資は「売る」ことである

株式投資で儲けるには、安値で買って高値で売ること。そのために、幅広く世界情勢を視野に入れた大局観の中で、企業業績の動向とバリュエーションなどの評価尺度を用いて、安値・高値を捉える努力をするしかない。一回でうまくいくとは限らないので、何度もトライする必要がある。そのためには、小まめに売ることである。

①売却基準(ロスカット・ルール)を設定する
②値上がりしている銘柄は持ち続け、保有銘柄を絞り込んでいく
③10銘柄程度を業種で分けて、分散投資する

将来を予想することはできない。10年後に値上がりしている銘柄だけをポートフォリオに残すようにする。つまり、値下がりした銘柄はどんどんポートフォリオから外して、値上がりした銘柄だけを残しておく。

「負けない運用」「損失を小さく抑える運用」を続けた結果、負けなかった銘柄だけが残って株価が2倍、3倍になるというやり方を目指す。
この方法では、コストも相当高くつくことは覚悟する必要がある。期待できる利回りは年5%程度である。しかし、これに配当利回りを2%としても、7%複利で10年運用できたら資産は倍になる。