10年以上前に発刊されながら、ソーシャル時代の今こそ注目されているマーケティングの名著。特定の顧客にフォーカスして、双方向で信頼関係を構築することの重要性を10年以上前に提唱している先見性が凄い。
従来型のマスマーケティングの限界を指摘し、これからのマーケティングに必要とされる基本的な考え方が示されている。
■インタラプション・マーケティングの限界
CM、バナー、空港の広告、街角の看板。これをインタラプション・マーケティングと呼ぶ。インタラプション(邪魔・中断)と呼ぶのは、消費者がその時やっている事に割り込んで商品のことを考えさせる広告だからである。
しかし、インタラプション・マーケティングは次の問題に直面している。
①情報の氾濫
クライアントが広告費をすさまじい勢いで増やしてきた結果、情報の氾濫がひどくなり、広告の効果が薄れている。
②消費者の満足
製品の質が飛躍的に向上し、消費者が以前と比べて何を買うか気にしなくても良くなった。周囲にあるブランドは何年ももつものばかりで、消費者は熱心に新しい製品やサービスを求めなくなった。
広告効果を上げる唯一の方法は数多く広告を打つこと、つまり、接触頻度を高めることである。そのためには、パーミッション・マーケティングが有効である。
従来型のマス広告は、コストもかかり、情報の氾濫に直面することで効果が薄れている。
パーミッション・マーケティングとは、不特定多数の消費者に働きかけるのではなく、何らかのパーミッション(同意)を得た人たちをターゲットとし、そこから長期にわたって多大な利益を獲得する広告手法である。
ネットなどを利用して、双方向のコミュニケーションを築き、顧客の信頼を得ることが大切である。
著者 セス・ゴーディン
1960年生まれ。米国の作家、起業家。元Yahoo副社長。 起業家として数々の会社を設立し、内1社はYahooに買収される。 パーミッションマーケティングという、口コミマーケティングという手法を提唱した人物。
帯 経営コンサルタント トム・ピーターズ |
帯2 ワンダーマン・リコッタ&クライン創設者 レスター・ワンダーマン |
帯3 元ソニー・ピクチャーズエンタテインメント上級副社長 ロバート・ターセック |
帯4 元ジフ・デイビス会長 エリック・ヒッポー |
tokuriki.com 徳力 基彦 |
デジタルマーケターが読むべき100冊+α トライバルメディアハウス代表取締役 池田 紀行 |
デジタルマーケターが読むべき100冊+α 2回目 コミュニケーション・デザイナー 河野 武 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.15 | 4分 | |
1章 もう、従来のやり方では通用しない | p.21 | 15分 | |
2章 「期待されていて」「パーソナルで」「適切な」アプローチを | p.41 | 12分 | |
3章 なぜ、マスマーケティングがもてはやされるのか? | p.57 | 9分 | |
4章 「市場社シェア」より「顧客シェア」を目指せ! | p.69 | 15分 | |
5章 「リーチ」より「フリクエンシー」を意識せよ | p.89 | 16分 | |
6章 パーミッションには五つのレベルがある | p.111 | 30分 | |
7章 パーミッションに関する四つの基礎知識 | p.152 | 16分 | |
8章 インターネットはテレビじゃない! | p.174 | 10分 | |
9章 ネットで実践する際の五つのステップ | p.188 | 7分 | |
10章 実例に学ぶ成否の分かれ道 | p.198 | 34分 | |
11章 その戦略をきめ細かく評価せよ | p.245 | 8分 | |
12章 「よくある質問」に答える | p.256 | 23分 |
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