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2012/04/13更新

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)

246分

3P

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最初の2秒

1983年、ジャンフランコ・ベッチーナと名乗る美術商がゲッティ美術館の門を叩いた。紀元前6世紀の大理石像を手に入れたという。ベッチーナの言い値はざっと1000万ドルだった。
ゲッティ側は、像を借り入れて、徹底的な調査にかけた。電子顕微鏡や質量解析機などのハイテク手法を駆使して調べ上げた。鑑定調査を始めてから14ヶ月後に購入を決めた。

だがこの像には問題があった。どこかおかしいのだ。最初に指摘したのは、イタリア人の美術史家フェデリコ・ゼリ。爪が変だ。理由はわからないが、彼にはそう思えたという。次は古代ギリシャの彫刻に関する指折りの専門家イブリン・ハリソン。学芸員が布をめくった瞬間、彼女にはピンとくるものがあった。何かがおかしいと、直感的に感じた。
その後、名だたる専門家に見てもらった結果、みな「直感的な反発」をおぼえた。わずか2秒で、一目でその像の正体を見抜いた。ゲッティ美術館の鑑定チームは14ヶ月かけて調べ上げたが、彼らの2秒にかなわなかった。

なんとなくが正しい

「最初の2秒」にように一気に結論に達する脳の動きを「適応性無意識」と呼ぶ。人は状況に応じて思考のモードを意識と無意識の間で切り換える。初対面の人に会う時、求職者を面接する時、新しい考えに対処する時、とっさに判断しなければならない時、私たちは適応性無意識に頼る。

人はとっさの判断と第一印象だけでも、状況を的確に理解できる。瞬時に下した判断も、慎重に時間をかけて下した結論と比べて、決して見劣りしない。人は無意識の内に素晴らしい判断を下す能力を持っている。

よりよい判断を下す方法を学ぶには、瞬時の判断の不思議を受け入れる必要がある。理由がわからないままにわかることはある。

瞬時の判断は鍛えることができる

第一印象は経験と環境から生まれる。つまり第一印象を構成する経験を変えれば、瞬時の判断を変えられる。私たちは、自分の得意なこと、いつも気にかけていることに関しては、経験と情熱で第一印象の質を高めることができる。

瞬時の判断が間違う原因

人は極度のストレスにさらされると、目が冴えたり、視野が狭くなったり、音が消えたり、時間の感覚がゆっくりになる。命がおびやかされるような状況に直面すると、音、記憶、世界といったものを幅広く理解する能力を犠牲にして、目の前にある脅威に対する意識を高める。

また、人は興奮しすぎると、人の心が読めなくなる。時間がないと興奮した時と同じようになり、先入観に頼って判断する。しかし、これらはいずれも、訓練と経験によって制御することができる。