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2012/04/11更新

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)

152分

1P

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地域再生策の罠

①専門家が推奨する成功事例のほとんどが、実は成功していない。
②稀にある「本当の成功」は、異国や昔の古い話であり、しかも模倣が極めて難しい。

市民と地域が豊かになるには、地域づくりの計画や意思決定を専門家が上から下ろす現在の仕組みを、市民が主体となる仕組みに改める必要がある。

地域再生へ向けた7つのビジョン

①「私益よりも公益」
②「経済利益より人との交流」
③「立身出世より対等で心地よい交流」
④「器より市民が先に尊重される地域づくり」
⑤「市民の地域愛」
⑥「交流を促すスローフード」
⑦「心の拠り所となるスポーツクラブ、居場所」

市民に愛される地域づくりとは、市民が優しく包み込まれる空間と時間を創出することである。つまり、交流の居場所作り、機会作りである。地域再生の本質は「交流、心の再生」にある。

地域再生のための3つの提案

①食のB級グルメ化、ブランド化をスローフードに進化させる
地方都市街中の再生には、需要の創出が不可欠だ。求められる施設は、物販主体の需要吸収型施設ではなく、飲食主体の需要創出型の店舗である。街中の衰退が加速する地域は、物販店舗の再生を目論むのではなくて、飲食店を各に、交流需要を創出する施策を強く打ち出していくべきだ。
スローフードには地域への愛と誇りと幸福を醸成する力がある。食のB級グルメ化・ブランド化は一部の業者しか儲からない。それよりも、B級グルメ化をスローフードに進化させる必要がある。そのためには、市民が主役になれる「食の八十八個所巡礼の旅」の企画や、飲食店を子供たちの憩いの場として位置づけることが有効である。

②街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る
低未利用地の活性化は、施設の位置づけを変更・追加して新たな顧客を獲得する、顧客を地域全体で共有する、交流は交通至便な場所で活発化する、という視点が大切である。この3つの視点を満たす施策が、街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創ることである。これで、箱物需要と雇用の創出も期待できる。

③公的支援は交流を促す公益空間に集中する
公的支援には無駄が多く、選択と集中が必要である。利益を出すことができる箱物運営などは民間に任せ、公的支援は戦略的な赤字事業として公益空間に限定するべきである。