ドイツのメルケル首相は、原発擁護派であった。しかし、福島原発事故の後、その態度を180度転換し、原発の完全廃止を決定した。
なぜ、メルケル首相は「転向」したのか。
ミュンヘンに在住している著者が、原発問題を通じて、その背後にあるドイツ人の気質や性格を分析している1冊。
ドイツのメルケル首相は、原発擁護派だったが、国内の挙国一致的な反原発ムードに、その態度を「転向」せざるを得なかった。
ドイツ人はリスク意識が高い。彼らがリスクに敏感なのは、批判的な性格を持ち、将来に悲観的であるからである。悲観主義の背景には、潜在的な不安を抱えている事がある。
著者 熊谷徹
1959年生まれ。フリージャーナリスト 大学卒業後、NHKに入局。ワシントン支局勤務中に、ベルリンの壁崩壊、米ソ首脳会談などを取材。1990年からフリージャーナリストとしてドイツ・ミュンヘン市に在住。 過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に執筆している。『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』で2007年度平和・協同ジャーナリズム奨励賞受賞。
日本経済新聞 学習院大学教授 佐々木 毅 |
TOPPOINT |
エコノミスト 2012年 3/27号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 甦るチェルノブイリの記憶 | p.13 | 24分 | |
第2章 ドイツ原子力四〇年戦争 | p.55 | 51分 | |
第3章 フクシマ後のリスク分析 | p.145 | 32分 | |
第4章 はじめにリスクありきーー日独のリスク意識と人生観 | p.201 | 35分 |