2011年6月1日、自民党の一研究会である「X-dayプロジェクト」は、衝撃的な報告書を発表した。「今後、7、8年以内」に日本国債の発行は限界に達する。同プロジェクトは、学者やエコノミスト、金融機関の関係者や財務省、日銀などの政策当局者からヒアリング調査を行い、報告書をまとめた。
日本国はいくら借金できるのか?ギリシャの深刻な財務危機が騒がれる一方で、現状ではまだ安定している日本国債について、その展望を紹介している。
ギリシャ危機や、過去にデフォルトしたロシア、アルゼンチンの事例を説明し、現状の日本財政について分析しています。
2011年9月末で個人金融資産は1471兆円。一方、国の借金954兆円に地方の借金200兆円を加えると1154兆円。まだ317兆円の余裕がある。
日本はあとどれぐらい借金できるか。317兆円を目安とし、毎年32兆円の国債残高が増えると仮定した場合、2021年に政府債務が個人金融資産を食い潰す計算になる。計算上は10年だが、復興債など別枠で国債発行額は増えているので、現実には7、8年後ぐらいと推測される。
著者 川北 隆雄
1948年生まれ。中日新聞論説委員 大学卒業後、中日新聞社入社。同東京本社(東京新聞)経済部記者、デスク、論説委員など、20年以上にわたり財務省および財政担当。現在は編集委員、専修大学非常勤講師。政府税制調査会専門委員などを歴任。
週刊 ダイヤモンド 2012年 3/3号 [雑誌] |
週刊 東洋経済 2012年 3/10号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.7 | 3分 | |
プロローグ 戦慄の近未来図 | p.13 | 10分 | |
第1章 ギリシャ発ユーロ圏へ・危機の連鎖 | p.29 | 25分 | |
第2章 米国債格下げの衝撃 | p.71 | 24分 | |
第3章 国債は「絶対安全」ではない―ロシアとアルゼンチンで起きたこと | p.111 | 12分 | |
第4章 「火車」の上の日本財政―ギリシャ危機どころではない | p.131 | 20分 | |
第5章 「デン助」と呼ばれた男 | p.165 | 19分 | |
第6章 「未達」から破綻へ | p.197 | 20分 | |
あとがき | p.230 | 2分 |
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