評価だけでなく、評判も大切
企業では「評価」による人事が前提となっているにも関わらず、「評判」が重大な影響を及ぼす。「評価」と「評判」は、性質が大きく異なる。
評価は評価基準を満たせば高まるが、評判は主観の集合体であるため基準が存在しない。また、評判は長期間かけて築かれるものであり、一度落ちると再び高めるには相応の時間を要する。
評価と評判は密接に関係しており「評価が評判を作る」または「評判が評価を作る」という側面がある。良い評判の人には、高い評価を付けがちである。
評価は短期的な指標なので、昇給などの短期的な処遇に反映される。一方、昇進昇格など長期的な処遇になると、評判が前面へと出てくる。人事を決めるにあたって、表立って説明されない評判は「裏スタンダード」といえる。
企業では、功があった者に地位を与えることが多い。だが、それでうまくいくケースは決して多くない。プレーヤーとしての適性と、管理職としての適性は別物である。高い業績があった人が、必ずしも徳があるとは限らない。評判による人事は、正しいあり方といえる。
評判の良し悪しを分けるポイント
評判の良し悪しには、その人の印象が大きく影響する。評判の良い人、悪い人の代表例は以下の通りである。
・評判の悪い人
①ナルシスト:自分の実力を誤認している人
②評論家:自分自身を省みず、他人の事をとやかく言う人
③分不相応な人:自分の立場を理解しておらず、勘違いの大きい人
・評判の良い人
①自分自身をよくわかっており、他者への十分な配慮ができる人
②労をいとわない実行の人
③自分の立場や役割を理解しており、本質的な役割の果たせる人
評判を高めるには、周囲の目ばかり気にして、皆の顔色ばかりうかがうのではなく、主体的、能動的に振る舞うことが大切である。役割に合った、互いの関係性に合った振る舞いをすることである。
評判を向上させるポイント
良い評判を得る上でのポイントは以下の通りである。
①他者に関心を持ち、1人1人を十分に尊重する。
②細かな点も怠らず、プロセスに集中し、実行する。要領ばかりが良くて、楽をして利を得ようとするタイプは、決して好ましい評判は築けない。
③組織における自分の役割を理解するために情報を集め、研究し、試行錯誤を繰り返して自分のものとする。