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2012/03/28更新

朝日おとなの学びなおし 経済学 鈴木敏文の実践!行動経済学 (朝日おとなの学びなおし 経営学)

157分

4P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な
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表示の仕方で売れ方が変わる

物事の提示や表現の仕方が変わると、判断や選択のフレームが変わり、異なる結果が導かれる。以下、右の事例の方が売れ行きが良い。

◯◯%引き → 100円均一
割引き → キャッシュバック
二割引き → お買い得
値引きセール → 現金下取りセール

価格設定で売れ方が変わる

同じ商品で高、中、低の3種類の価格帯が並ぶと、買い手は大抵の場合、両極端を避け、真ん中の価格を選択する。顧客は満足できる価値を買いたい。価格の安さは価値の一要素であって、フェアプライスを求める。

潜在的ニーズを掘り起こす

顧客自身も意識していない潜在的ニーズを掘り起こすには、「仮説と検証」である。明日の顧客ニーズについて、こうではないかと仮定する。そのために先行情報(天気予報、曜日、年中行事など)を用いて考える。

機会ロスを見える化する

人間は「目に見える損失」の方を「目に見えない得られるはずの大きな利益」より、大きく感じてしまう。廃棄ロスのリスクを恐れて消極的な発注を行うと、顧客は「売れ残り商品」や「余り物」と感じて、かえって廃棄ロスと機会ロスを高めてしまう。仮説を立て、検証すれば、機会ロスが「見える化」される。

種類を絞り込む

消費が飽和した時代においては、種類を多く揃えるより、商品の絞り込みが必要である。人は選択肢があまり多くなると、どれを選べば良いのか、心理的な葛藤が起こり、選択が敬遠されて、判断されなくなる傾向がある。

顧客の立場で考える

人間は過去の経験に縛られ、既存の仕組みの中で発想してしまう。「顧客のために」と既存の枠組みで発想するのではなく、「顧客の立場」で考える。そのためには、自分も生活者として、買い手の心理を持っていることを忘れないことである。そして、常にクエスチョンを発し続け、思い込みを持たないことである。

リスクを取り爆発点に到達する

商品の売れ行きにも爆発点があり、単品あたりの陳列量が一定以上になると顧客の認知度が高まり、買いたいという心理が働いて、爆発点に達する。爆発点はリスクの向こうにあるため、挑戦する意欲が必要である。

常にレベルを高める

顧客は期待度以上の価値を感じて初めて満足する。その期待度はどんどん増幅し、以前は「おいしいもの」のレベルが「当たり前」になり、やがて「飽きるもの」に変わる。売り手は常に顧客の期待度を上回る新しいものを提供し続けて、初めて顧客のロイヤリティを維持できる。

トレードオフ戦略

顧客は「上質さ」と「手軽さ」というトレードオフの方向性を追求する。上質なら、上質の中にどれだけ手軽さをちりばめるか。手軽さなら、どれだけ上質をちりばめるか、そこに価値が生まれる。上質さも手軽さも中途半端では顧客の支持を失う。