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2012/03/27更新

次なる経済大国

249分

2P

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成長国市場

BRICsや韓国、インドネシア、メキシコ、トルコには、もはや「新興国市場」という言葉は当てはまらない。これらの国の政府債務や財政赤字はおおむね健全で、安定した貿易ネットワークがあり、膨大な数の国民が豊かさへの階段を着実に上がっている。従来の「新興国市場」というコンセプトから「成長国市場」として見なければならない。

BRICs

・ブラジル
2010年までにブラジルの経済規模は2.1兆ドルに達した。ブラジルの基本的な経済基盤は驚くべきものである。人口は世界第5位、若くて、増加傾向にある。若年層人口の増加は、強力な経済成長をもたらす。2050年には、現在の主要先進国の水準に近付くかもしれない。そうなれば、少なくとも現在の4倍になる。

・ロシア
展望のない人口動態(死亡率が高い)、エネルギーや原材料への過度の依存、法制度の不備など、深刻な課題がある。しかし、他のBRICs諸国よりも高い一人当たりGDPを持てる潜在力があり、ヨーロッパ諸国をしのぐ可能性がある。人口減少が止まっただけで、2050年には、GDP10兆ドル前後となり、簡単にブラジルに匹敵する。

・インド
今後25〜30年で、労働人口は3億人増える可能性がある。2012年にすでに12億人、2050年には17億人に達する。中国よりもはるかに若年層人口が多く、世界に大きな影響を与える国になる。理論的には、今後20〜30年で日本を追い抜き、世界第3位の経済大国になる。但し、統治の難しい複雑な国家であるため、課題も多い。

・中国
2020年まで10%近い成長を続け、2027年までに世界最大の経済国になる。一方で、労働人口は高齢化に向っており、まもなくピークを迎える。つまり、イタリアや日本と同種の課題を背負うことになる。

N-11

発展途上国の中でBRICsに続く国々を「ネクスト・イレブン(N-11)」と名付けた。バングラディシュ、エジプト、インドネシア、イラン、韓国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナム。
中でもメキシコと韓国は、世界経済において、BRICsと肩を並べるほどの重要性を持つ力があると予測している。

2050年までに、メキシコのGDPは世界第6位となり、ロシアと肩を並べる。インドネシア、ナイジェリア、韓国は、イタリアとカナダを追い抜くだろう。しかし、メキシコと韓国を除けば、残りのN-11諸国は、BRICs諸国ほどには、世界経済の成長に貢献しない。

一人当たりの所得では、韓国がアメリカ以外のG7諸国を追い抜く。メキシコはロシアと共に先進国のレベルに近付く。トルコは中国やブラジルと共に、現在のアメリカに近付く。その他のN-11諸国が先進国に追いつくには、生産性を向上させなければならない。