「寝ている間に稼ぐ」を目指す
著者が経営者として目指してきたのは「寝ている間に稼ぐこと」である。店舗運営はスタッフや店長たちに一切を任せていて、店に顔を出すのはごく稀である。よって現場のことは全く知らない。
それでも年商20億円超の会社をやっていけるのは、社員やアルバイトに安心して任せられるように、相応の仕組みと仕掛けを用意しているからである。
経営環境を分析し、自分が勝てそうな分野と事業を選ぶ。さらに経営管理システムを整備し、すべて「数字」で見られるようにし、適材適所で皆に力を発揮してもらう。基本的なことをやって「任せる技術」を体得すれば、「寝ている間に稼ぐこと」は可能である。
経営において大切なこと
・人口の多い年齢層に合わせて、ビジネスや経営スタイルを変更していく
・モノではなく、カルチャーを売る
(サーティワンは「町に小さなテーマパークをつくる」ことで非日常体験を提供)
・他と差別化できるポジショニングを探す。ニッチでも独占できる分野を
・多数の小組織を統合するシステムを持つリスク分散型のビジネスモデルを目指す
・「現場の判断」を尊重する
・事業拡大の際には、社内の経営管理の仕組みをそのまま活用できるかで判断する
・一つ儲かるモデルを見つけてから、同じパターンを全面展開する
・ランニングコストが赤字かで撤退を判断する
・店舗型ビジネスでは、立地と店舗デザインが成功要因の8割を占める
・高い家賃の所がいい場所である。初期費用が高い場合でも投資利回りを考える
・多店舗展開では「ドミナント戦略」をとり、参入障壁を築く
・過去の「成功例」や「持論」に執着しない
任せる技術
多店舗展開を行うには、「若くて経験のない人材にも安心して任せられるようなビジネスモデル」にすることが大切である。ビジネスの基本は、いかに他人を動かしていくかに尽きる。そのためには以下の事を行っている。
・経理は税理士、労務は社労士、物件情報の開拓は不動産屋にとプロに外注する
・社内外問わず、利益や時給などの数字をオープンにして、相互信頼を得る
・アルバイトにも数字を通してものを見る癖をつけさせる
・従業員の数字を読む感覚を磨くため、店舗を利益に応じてランクづけする
・現場に数字の責任を持たせる一方、権限をすべて与える
・店長会議にはアルバイトなども呼び、全体の店の中での立ち位置を見せる
・失敗は当然起こるものと考え、万全のフォローをする
・理念やビジョンは公言せず、自分でとことん思考することを求める
・人材も評価基準を設けてランク分けし、目標を与える
・格差は当然であり「差」はきちんと評価する
・アルバイトにアルバイトの面接をさせて勉強させる
・礼儀とマナーだけを教え、あとは個性を生かす