ボランティア経験なしの早大大学院(MBA)専任講師が、日本最大級の支援組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」をどう作ったのかを紹介している本。
人を助ける仕組みと支援の舞台裏が書かれています。ボランティア組織を運営する上での苦労話など、共感する点が多々あります。
■ふんばろう東日本支援プロジェクトとは?
仙台出身の著者は、おじさんが行方不明の中、南三陸町に入り、報道をはるかに超える惨状に言葉を失う。そして、自治体や拠点避難所には物資が山積みになり、受け入れを断る中で、小さな避難所には物資が届いていない状況を目の当たりにする。
被災自治体も機能を奪われ、個人で物資を運んでも微力である。そうして「行政を通さずに必要としている人に必要なものを必要な分だけダイレクトに届ける」ことを可能にする仕組みを作った。
この仕組み「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は、多数のプロジェクトを生み出しながら、瞬く間に広まった。2012年1月時点で、この物資の仕組みを通して、約3000カ所以上の避難所、仮設住宅、個人避難宅を対象として35000回以上、155000品目に及ぶ物資支援を成立させた。
「一戦必勝」を実現する組織づくりの秘訣
・目的とビジョンだけは共有しておく
・「動き方」のモデルを示すことで、他者に同型の成果をもたらす
・中途半端にお金を払う事は、内発的動機を失わせるリスクがある
・小魚の群れのように時にまとまり、分散して対応できる組織をつくる
・組織に階層はつくらずシンプルにする
・ボランティアはモチベーションが命。一戦必勝が必要になる
「いろいろ大変だったけどやって良かった」を思ってもらう事が決定的に大事
・反省会はしない。自分達の足りなかった事にフォーカスするのは致命的
・組織間に横糸となる部門をつくり、部門間の壁を低くする
・基本的にリーダーに任せる。良い所を見て、適材適所
・感謝を忘れた時、組織は崩壊する
・その人の存在を前提として認めた上で、行為も適切に評価する
・思っている事を言えない雰囲気だけは作ってはならない
著者 西條 剛央
1974年生まれ。早稲田大学大学院(MBA)専任講師(専門は、心理学と哲学) 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表 「構造構成主義」という独自のメタ理論を創唱。この理論を用い、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、ボランティア未経験ながら日本最大級のボランティア・プロジェクトへと成長させる。
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![]() コピーライター 糸井 重里 |
![]() 土井 英司 |
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章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 5分 | ![]() ![]() ![]() |
第1章 絶望と希望のあいだ――南三陸町レポート | p.19 | 28分 | ![]() ![]() ![]() |
第2章 「ふんばろう東日本」の拡大とインフラとしてのツイッター、ユーストリーム、フェイスブック | p.65 | 15分 | ![]() ![]() ![]() |
第3章 「重機免許取得プロジェクト」――陸前高田市消防団と志津川高校避難所 | p.89 | 18分 | ![]() ![]() ![]() |
第4章 半壊地域の苦境と「家電プロジェクト」の立ち上げ | p.119 | 21分 | ![]() ![]() ![]() |
第5章 「ほぼ日」と糸井重里――「西條剛央の、すんごいアイディア。」外伝 | p.153 | 22分 | ![]() ![]() ![]() |
第6章 多数のプロジェクトをどのように運営していったのか? | p.189 | 32分 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
第7章 「一戦必勝」を実現する組織づくりの秘訣 | p.241 | 15分 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
第8章 ポスト3・11に向けた人を助ける仕組みと提言 | p.265 | 21分 | ![]() ![]() ![]() |
おわりに 僕の声が君に届けば | p.300 | 7分 | ![]() ![]() ![]() |
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