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2012/03/24更新

真贋 (講談社文庫)

178分

4P

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世の中に絶対的価値観は存在しない

明るいから良くて、暗いからだめだという善悪二元論で考えると、物事の本質を見誤る恐れがある。
無意識の内に答えが決まっている価値判断は、無意識の内に人の心を強制してしまう。明るいからいい、暗いからだめだという単純な価値判断を持っていると、そう思えない自分、そうではない自分を追いつめる結果になってしまうからである。
人間は閉じられた環境や空間の中では、教養も知性もある人でさえ、理性的な判断ができにくくなるという特性がある。善悪二つのモノサシしか持っていないと、人間は非常に生きづらさを感じるものである。

世の中の一般的な価値観で言うと、本を読んだ方が本をあまり読まないよりも教養が身につき、思考が深くなって、人生が豊かになると考えられている。
しかし、小説や詩を読むことで、心が何かしら豊かになるということを妄信的に信じている人がいたら、少し危険である。「豊かになる」ということほど、あてにならない言葉はない。本を読むと利を得ると同時に毒も得ると考えた方がいい。

例えば、本をよく読むようになってから、実業的な利益に対してあまり関心がなくなるということがある。情念の移り変わりや感覚の素晴らしさに惹かれて、現実離れしたものが好きになっていく人がいる。小説によっては、犯罪や人間失格的なものに心を動かされることもあり得る。何かに熱中するという事は、その事の毒も必ず受けるということである。今という時代は、善悪両面から見るという見方が必要な時代である。

人間にとって一番大切なこと

多くの人が、人間として大切だと思っているものは大切である。しかし、実際は、自分の性格や成り行きなど、様々な理由で、人間として大切だと思えることとの距離感があって、なかなかそこにいけない状態にいることが多い。
しかし、人間として大切なことを考えたり、それを実現するために自分の行動の仕方を変えたりする意識が重要である。それは社会全体にとっても重要なことである。

世間一般の人の大多数が大切だと思っているものに、自分が近付こうとしても、自分の気持ちが乗っていかないといった事は日常で起こる。しかし、そのギャップを考え続けていくこと、そうした意識を持つことこそ、生きる上で「大切」という言葉にふさわしい。

大切なことはその都度変わっていく。だから何が人生で重要だというふうに言われたら、ずっと一貫して、大切なものと現状の自分との距離について考えていくことだと思う。