優れたマネジャーになるためには、次の3つの課題に取り組まなければならない。
①自分のマネジメント
②人脈のマネジメント
③チームのマネジメント
自分をマネジメントする
マネジャーは、肩書きによって生じる権限だけでは部下に十分な影響を及ぼすことはできない。マネジャーとして影響力を発揮するための土台は、部下からの「信頼」である。信頼は次の2つの見方に基づく。
・マネジャーとしての手腕がある
・人徳がある
信頼を得るには「仕事に打ち込んでいる」「言行が一致している」「部下を公平に扱う」「信頼して仕事を任せる」といった適切な行為を通じて、胸襟を開き、自分の手腕や人柄を示さねばならない。
人脈をマネジメントする
組織とはそもそも政治臭い環境である。そこで成功するには、人脈を積極的に築き、それを活かして必要な支援、経営資源、情報を人脈内の人々と交換し、影響力を手にいれなくてはならない。
人脈については、次の3つの人脈を築く。
・業務面の人脈:チームの日常業務に関係した人々とのつながり
・戦略面の人脈:将来に備える上で役に立つ人々とのつながり
・啓発面の人脈:イザという時に心情面で力になってくれる人々とのつながり
人脈に影響を及ぼす上でも、信頼が基礎となる。そのため、手腕と人徳の両方が必要である。
チームをマネジメントする
共通の目的とやりがいのあるゴールを掲げ、その実現に向けて互いに約束を交わして、共同で仕事をする人々の集まりが、チームである。
チームをつくってマネジメントしていくには、次の4つの要件が求められる。
①将来像を描く
明確な目的とゴールを描き、共通の目的意識「運命共同体」としての意識を培う。
②チームの仕事の仕方を明確にする
健全な文化がなければ、メンバーは仕事への責任を引き受けたり、仕事とその目的やゴールのために献身したりしない。チームを作り維持するには、次の要素が必要である。
・各人の役割を明確にする
・仕事のやり方を明確にする
・メンバー間の仕事のやり方を明確にする
・進捗を明確にする
③チームと人材、両方をマネジメントする
メンバーは個人として見られたい、気遣いされたいと思っている。チームへの貢献などに関しては、一人一人を称える。チームの仕事を通して各自のニーズが満たされるよう、個人とチーム、両方のニーズを結び付ける。
④3つの課題を日常業務に当てはめる
日常業務を活かしながらマネジャーとしての業務をこなす。問題や要求に対処する前に「マネジャーとして必要な仕事をこなして目標に近づく上で、この機会をどう活かせるか?」と自問して、行動する前に準備をする。