経理パーソンに求められるもの
経理スキルというのは、どこの会社にいっても使える「ポータブルなスキル」である。しかし、会計ソフトの登場により、正確に数値を入れさえすれば、どんな人でも簡単に試算表などが作れるようになり、それほど評価されるスキルではなくなった。
従来通りの「決められた作業を的確に行う」という姿勢だけでは、今以上に評価される事はなく、「代わりのきかない人材」になるしかない。
経営者は信頼する自分の片腕を常にそばに置いておきたい。社長の片腕である「金庫番」になるためには、コストダウンや経営の効率化といった視点で、会社の利益に貢献できることが必須となる。そのためには以下のスキルが必要となる。
・経営者の期待を先取りしたデータの提供
・よりよい改善手法を生み出す
・会社の財務上の危機を乗り越える
デキる経理パーソンの仕事の習慣
・情報は外に漏らさない。「口の堅さ」が重要
・前日の最後の作業に「明日の準備」をして仕事を効率化する
・とりあえず少しだけ仕事に手をつけ、前倒しで仕上げようと意識する
・集中して作業できる時間を切り分ける
・ルーティン作業の手順は記録しておき、他人に依頼しやすくしておく
・繁忙期の負担を減らすために、閑散期に処理を前倒しする
・積み上げる基礎データの時点から数値を合わせて、二度手間を防ぐ
・仕事の「幹」と「枝」の部分を見分け、重要な点に注力する
・仕事は囲い込まない。誰でも作業できるシステムを作る
・教わり上手になる
・経営者や上司の満足度は「品質×スピード」。素早い返答で相手を満足させる
・中間報告を大事にする
・営業の視点でも物事を見られるようにする
社長の期待に応えるデータ提供術
・社長が繰り返し質問する事は、先回りして回答を用意しておく
・「前期対比」「月別推移」の試算表を分析し、金額や比率が大きく変動している項目について原因の検証を行い、コメントする
・会計データをExcelで加工し、様々な種類の資料を作成する
・資料はグラフ化と罫線の工夫で見やすくする
・決算予測は、予算と前期のデータを利用してシュミレーションする
・「経営自己診断システム」サービスを利用して、財務分析を行う
資金調達で活躍する
資金調達時に経営者をサポートする事ができれば評価が高まる。
・融資に関して銀行が注目するポイント
①何に使うのか(資金使途)
②本当に返せるのか(返済可能性)
③返せなかったときは(保全)
これらを1枚にまとめ、試算表、資金繰り表と合わせて提出する。
・資金繰り表のチェックポイント
①試算表との整合性
②前期データとの整合性
③取引条件(回収・支払サイトと金額)との整合性
④資金需要と返済可能なストーリー作り