本書は、小商い、マイクロビジネスの起業に関するビジネス書ではない。マイクロビジネスの立ち上げノウハウや、戦略といった経営指南本ではない。
本書では「小商い」を、金銭至上主義的な考え方から、別の価値指標による生き方、利他的な生き方・ビジネスのあり方として定義している。昭和の帽子屋、駄菓子屋といった小商いのように、利益ではなく小さな問題から社会に関わることの大切さを説く。
経済発展の限界を指摘し、縮小均衡の時代において、小商い的な生き方を薦めています。
技術革新と経済発展は、リーマン・ショック、デフレ、債務超過、格差の拡大、原子力発電事故をもたらした。大量生産、大量消費の時代が永遠に続くという考え方には、根本的に無理があり、これからは縮小均衡を考える必要がある。
経済成長ができなくなった現代社会は、我々が求めてきたものの結果である。自分たちが作り上げた現代に対して、我々は責任を問われることはない。しかし、本来責任がない「いま・ここ」に対して、責任を持つことが、「いま・ここ」にある自らを必然に変える。
金銭至上主義的な考え方から、別の価値指標による生き方、様々な外的な条件の変化に対して、それでも何とか生きていける、笑いながら苦境を乗り越えていけるためのライフスタイルこそ「小商い」である。この生き方が苦境を乗り越える一歩になる。
著者 平川克美
1950年生まれ。株式会社リナックスカフェ代表取締役 渋谷道玄坂に翻訳を主業務とするアーバン・トランスレーションを内田樹らと共に設立、代表取締役となる。現在、株式会社リナックスカフェ代表取締役。株式会社ラジオカフェ代表取締役。立教大学特任教授。
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章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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まえがき | p.1 | 8分 | |
第1章 経済に蚕食された社会 | p.19 | 16分 | |
第2章 街角のフォークロア | p.47 | 18分 | |
第3章 ちいさいことの意味 | p.77 | 18分 | |
第4章「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ――東日本大震災以後 | p.107 | 37分 | |
第5章 小商いのすすめ | p.171 | 30分 | |
あとがき | p.223 | 4分 |
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