東京の「山の手」と「下町」の格差は、あらゆる社会階層、経済指標によって明らかである。東京23区の様々な指標を紹介し、東京が格差社会によって、階級ごとに住む場所が色分けされている事実を説明している。
木造家屋が建ち並ぶ下町に、中産階級向けマンションが建設され、昔ながらの街の景観は変わってしまった。その街の変化が格差社会を一層実感させる。変わってしまった街の変化などの風景なども紹介されている。
格差社会の問題を我々はどうすべきか?
東京都の中心部と周辺の市街地は、「下町」と「山の手」に大別される。あらゆる社会階層や経済指標で、豊かな都心4区、相対的に豊かで高学歴な山の手、すべてにおいて豊かさから取り残された下町という序列が見出される。
ここから住民の平均寿命や、子供の成績と進学率などにも、深刻な格差が生み出されている。大きな格差は、子供たちを中心に機会の平等が失われ、格差が固定化し、貧困連鎖が生じてしまう。低所得層へは、ハンディを埋めるため個別の家賃補助が必要である。
著者 橋本 健二
1959年生まれ。武蔵大学社会学部教授 静岡大学教員などを経て、現職。専門は社会学(階級論)
日本経済新聞 |
エコノミスト 2012年 1/31号 [雑誌] 明治学院大学教授 中尾 茂夫 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
東京のなかの東北 | p.7 | 3分 | |
第1章 風景としての格差社会 | p.13 | 18分 | |
第2章 なぜ「階級都市」なのか―都市構造と資本主義 | p.45 | 23分 | |
第3章 異国の風景―「下町」と「山の手」の言説史 | p.85 | 24分 | |
第4章 進行する都市の分極化―統計でみる階級都市 | p.127 | 23分 | |
第5章 階級都市を歩く | p.167 | 44分 | |
第6章 階級都市から交雑都市へ | p.245 | 12分 |
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