今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2012/02/15更新

苦しみはどこから生まれるのか? (角川oneテーマ21)

122分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

アマゾン詳細ページへ

逆境を乗り越える方法

仏教には「逆境は智慧、順境は慈悲」という教えがある。これが意味するのは、「逆境や試練からは智慧を学ぼう。順調に行っているときは仏の慈悲を感じよう」というものである。
逆境にあると思ったらまず深呼吸して気持ちを落ち着かせ、自分がどのような事態に巻き込まれているのかを冷静に判断することが第一になすべきことである。逆境とは抜け出すためにあるものだから、肝心なのは「どうやって脱出しようか」と考えることである。その時、逃げの姿勢で後ろ向きになってはいけない。
逆境にある時は、「耐える」ことも一つの選択肢である。ただこの時、じっと苦しみを我慢するのではなく、この逆境が自分に何を教えてくれているのかを見つけることが大切である。

「この世は無常である」というのが、仏教の基本的な教えである。これはすべてが虚しいという意味ではなく、「常ではない」ということである。時の流れも、常に前へ、前へと進んでいる。この世に変わらないものなど存在しない。
仏教の無常を心に置いておけば、「この一瞬は二度と戻らない」ということがわかり、一期一会の精神でいることができる。この気持ちがあれば、悪いことがあったとしても、その次に必ず良いことがやってくると思えるようになる。「明けない夜はない」のである。

逆境にあるときは視野が狭くなり、いろいろなものを見失いがちである。そんな時は、素直な心の目で、周囲を見ることのできる心の「眼力」を磨くことである。

「欲」というものは、人の心に執着というものを生み出す。時にこの執着が逆境を深めてしまう。物事に執着しないようにするには「すべては循環している」と思えるかどうか。水は流れなければすぐに淀みが生じ濁る。淀みや濁りを取り除くには、手に入れたものを手放す必要がある。これこそが逆境を抜け出す道でもある。

逆境の状況にいる時、人はどうしても暗くなってしまう。こういう時こそ、人は明るい気持ちを持つ事が大切である。逆境の時に広い視野を持ち、明るい材料を見つけることができれば、それは逆境を抜けたも同然である。逆境にある時は、まずは上を向いて確かな足場を見つけることが第一である。一歩一歩、着実に出口を模索していけば視野は自然に広がっていく。

打開策が見つからない。その道へ進めばいいか分からない。そんな状況の時は、あれこれ考えるのではなく「まずは動く」ことが大切である。先のことを考えてくよくよしても始まらない。「今日一日を頑張ろう」とその日を懸命に生きる。その積み重ねが「人生」と呼べるものである。

何か不安を感じたら空を見上げることである。閉じそうになっている心の扉を、大空がきっと開いてくれるに違いない。