NTTドコモ副社長が、ケータイ、スマートフォンによる事業モデル革命の本質を整理する目的で書いた本。ケータイの特性及び、その特性がもたらすモバイルパワーを紹介し、それぞれどういった事業モデルを生み出しているか説明する。
基本的に既存の著名なビジネスモデルの紹介であり、モバイルビジネスの振り返りのための入門書的な内容。NTTドコモのサービス紹介の部分も多い1冊。
ケータイの事業モデル革命の本質は、消費の5W1Hのすべてを消費者中心に変更するところにある。インターネットによる情報通信革命では、サービス提供者と消費者の距離を縮め、中間コストを圧縮することで、最終価格を抑えるような変化が起きた。携帯電話は、これに「いつでも」「どこでも」という要素を加え、産業構造や事業モデルにさらなる変革を迫っている。
この事業モデル革命は、次の2つの視点で考える必要がある。
①インターネットとケータイの融合
②リアルと携帯電話の融合
モバイルはインターネットにアクセスする機器となり、新しい事業モデルの勃興につながった。また、リアルの店舗でクーポンを使ったり、その場で買い物をするといった事業モデルを生み出している。
著者 辻村 清行
1950年生まれ。株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 代表取締役副社長 1975年日本電信電話公社入社。1987年にNTTアメリカ(New York)担当部長となる。1990年より移動体通信事業部担当部長となり、携帯電話事業に取り組む。 エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社(現在のエヌ・ティ・ティ・ドコモ) 経営企画部経営企画担当部長、国際ビジネス部長を経て、2002年に取締役経営企画部長に就任。 2008年より現職。
日本経済新聞 |
エコノミスト 2012年 4/17号 [雑誌] 流通科学大学学長 石井 淳蔵 |
帯 東京大学教授 伊藤 元重 |
日経ビジネス |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 4分 | |
第1章 実例にみる事業モデル革命の可能性 | p.19 | 27分 | |
第2章 モバイルパワー(1)「個客の見える化」 | p.61 | 20分 | |
第3章 モバイルパワー(2)「個客ニーズの顕在化」 | p.93 | 18分 | |
第4章 モバイルパワー(3)「商品・サービスのマイクロ化」 | p.121 | 17分 | |
第5章 モバイルパワー(4)「商品・サービス提供の適時化」 | p.147 | 20分 | |
第6章 モバイルパワー(5)「商品・サービス提供チャネルのポータブル化」 | p.179 | 17分 | |
第7章 モバイルインフラが切り開く新しい世界 | p.205 | 7分 | |
おわりに | p.216 | 3分 |