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2012/02/10更新

日本人はなぜ株で損するのか? (文春新書)

168分

2P

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投資で成功するには

「投資」は短期的な価格変動を楽しむ「投機」と根本的に異なる。「将来」という概念があるかどうかが投資と投機を分ける。投資とは「将来の生活」を考えての長期的なプロジェクトであることを理解することである。投資の鍵となるのは「情報の収集」である。

そして、株式投資の成功への要諦は一般的な投資の常識を疑うことである。「安く買って高く売る」という考えを捨て、「株価を見ずに株をみる」ことが大切である。

企業の成長の可能性をみる

株を分析するには、株価を定性的要素4つに分けて整理する。
①原理の過大評価
②原理の過小評価
③内的否定
④外的否定

原理とは、株を発行している企業が株主資本を効率的に動かすことによって利益をあげる、という役割のこと。株主が経営者に求めるのは、自分達が投じた株主資本を効率的に使って利益を極大化させ配当を増やし株価を上昇させることである。この考えに基づき、その企業を過大評価したり、過小評価したりする要素を、原理の過大評価、原理の過小評価という。

内的否定は上記の原理そのものを否定する企業内部にある要素をいう。そしてこれは企業の意志で克服可能なものを言う。外的否定は、企業の努力では克服できないものになる。

この内、株価のプラスに作用する要素は1つだけである。よって、「良い」ものがさらに良くなるより、「悪い」ものが好転する方が株価を大きく押し上げることになる。
要素を銘柄ごとに整理し、好転するための要因を把握し、「悪い」要素の変化が何を持ってどのように起こるかを3つの要素でシュミレーションする。業績の変化よりも、先に「要素」の変化を見る方が株価予測には重要である。

ex.エネルギー関連株(コスモ石油など)

①原理の過大評価=インフレの動き、価格支配力
②原理の過小評価=景気後退、総エネルギー使用量の減少
③内的否定=成長性、拡張性のなさ
④外的否定=代替エネルギー技術・製品の進歩

ex.トヨタ自動車

①原理の過大評価=世界経済の拡大、技術力・開発力・マーケティング力
②原理の過小評価=世界経済の成長鈍化
③内的否定=国内雇用の維持
④外的否定=為替(円高)

株価にフェア・バリューは存在しない。過大評価と過小評価があるのみである。よって、常に動態的に考えることが大切である。