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2012/02/28更新

勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論

101分

7P

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基本に立ち返れ

日本マクドナルドは、1992年から事業の多様化の失敗が原因で「低迷期」を迎えた。特に1997〜2003年まで、前年対比既存店売上高は7年連続マイナスになった。その原因は、わずか10年間で3000店舗も店を増やしたからであった。

業績の低迷の原因は、多店舗化によって「QSC&V」という基本を忘れていたことにある。

・Quality(クオリティ:最高のおいしさ、安全性)
・Service(サービス:心温まるおもてなし、クイックサービス)
・Cleanliness(クレンリネス:快適な食事空間、清潔さ)
・Value(バリュー:総合的な価値ある食事体験)

レストランビジネスでは、人材がいて初めてお店を開ける。お店を開いてから、人材を育てたのでは、最初から良いサービスができない。3000店を出店するためには、その数倍の人材育成ができていなければならなかった。
その店の売上は店長の能力に大きく左右される。店長次第でアルバイトの満足度も変わり、結果QSC、顧客満足度に影響する。

2004年から今日まで、売上は7年連続プラスになった。この時に行ったことは「基本に立ち返れ。基本以外は何もするな」であった。QSCが一番大事であると言って、当たり前のことをきちんとやっただけである。

経営改革

マクドナルドのブランド力は毎年上がっている。ブランド力は4つの項目で判断される。各項目に応じて、マクドナルドで行った事は以下の通りである。

①フレンドリー
・ハンバーガーのつくり置き撤廃
・100円メニューを中心としたバリュー戦略を展開
・日本独自の新メニュー開発
・従業員満足度の向上
・人材への投資(教育)

レストランビジネスの基本はおいしいものを提供すること。基本であるQSCを徹底し、おいしさを追求した。

②コンビニエント(利便性)
・24時間営業店の増加
・eマーケティング実施(携帯クーポンなど)

③アウトスタンディング(顧客の期待を超える)
・メガマック、マックリドルの販売
・ビッグアメリカ(アメリカご当地メニュー)の販売
・新世代デザイン店舗の展開
・高品質・低価格コーヒーの販売
・朝マックの販売

顧客の希望ばかり聞いていてもダメ。「らしさ」を忘れずに、顧客の要望以上のことを行った。

④イノベーティブ(革新的)
・地域別価格の導入
・戦略的な閉店
・価格の値上げ

顧客の期待値・経験値を超える価値の提供を行った。価値があれば値段は関係ない。そのためには独自性が必要である。