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2012/02/16更新

変化の時代、変わる力―続・経営思考の「補助線」

196分

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変化の時代

欧州は財政・金融危機にあり、米国も不安定である。新興国においては、資源価格の高止まりやインフレ傾向が強まっている。今日、多様な分野で「急激でインパクトの大きい環境変化」が数多く発生している。

この環境変化の背景には、3つの構造要因がある。

①様々な領域の「金融商品化」と金融市場での「ボラティリティ(変化率)拡大」
先進国が揃って金融緩和に走り、マネー自体が有利な投資先を求めてグローバルに駆け巡るため、市場のボラティリティが拡大しやすい状況にある。

②世界全体がパラダイムシフトの時期にある
地球人口の増加、これに付随する資源・食料などの不足懸念、新興国の相対的な経済・軍事両面での勃興など、メガトレンドの影響を受ける。

③技術進化と競争環境の激変
情報技術と通信技術の進化は、従来と全く異なるビジネスモデルを生む。また、業界外からの新規参入、新興国とのコスト競争など、企業にとってインパクトの大きい変化要因がどんどん登場している。

環境が大きく、早く変化する時代にあっては、自ら強い意志を持って「変化適応力」を構築していくことが重要である。

シナリオプランニングを活用せよ

不確実性が高く、非連続的変化が起こり得ると想定される時代には、これまでのトレンドを伸ばしていくやり方ではダメである。シナリオプランニングを使いこなすには、次のステップが必要である。

①一定の確率で起こりそうなシナリオを「世界観」として具体的に言語化する。人口変動や予測される技術進化といった「ある程度、読める要素」を確定させる。その上で、将来を形作る本質的な力を選択し、その働きを勘案して、複数の世界のイメージを作る。

②マネジメント層でこれら複数のシナリオを共有し、それぞれの場合に自社のとるべき戦略を、事前に考えておく。

③大きな変化の「兆し」を競合よりも早く読み取ることができる体制を作る。

シナリオプランニングには、将来予測などできないので意味がないという批判がある。しかし、シナリオには、将来を読む努力、結果を共有する努力、シナリオに応じて素早く対応できる仕組みを作っておく努力をすることで、企業の生存可能性を高めるという点に価値がある。

変化適応力の高め方

環境変化への適応ができない企業には、共通のパターンがある。
①「変化している現実」と「経営者のモノを見る眼」がズレている。
②「変化の必要性は認識し、手を打つが、よってたかって足を引っ張る。

この2つのパターンから脱却する有効な方法の1つに「別の人が、別の器で適応を図る」というやり方がある。人や場所、オペレーション等を全く新規に構築し、別の経営モデルと企業文化を誕生させるという成功事例がある。