いくら努力しても、それが社長の求める方向性と異なっていれば意味がない。社長が求める管理職像を知り、それに近付けていくことが、成長や出世につながる。
社長の決定に不満があるなら会社を辞めよ
・優秀な管理職とは、社長の決定を即座に実行に移す人である。自分が異論を述べて発生した失敗に責任を取れないなら、社長の決定に余計な口出しをするべきではない。
・社長が明らかに間違った決定をした場合でも、それに従って即座に実行する。仮に誤りがあっても、即座に実行すれば失敗するのも早い。そうすれば社長自身も早い段階で気づくため、次の手が打てる。
・いくら社長がおかしいと思っても、辞められないのであれば、自分を変えるしかない。
・職責が下位の社員ほど「どうして俺は出世できないんだ」と不満を持ち、その原因を上司や会社に転嫁する。出世できない理由は、本人が「出世するぞ」という決定をしないからである。目標を決定し、それに向けて計画的に行動する習慣をつけることが大切である。
・経営幹部の筆頭を目指すなら、社長の方針を誰よりも早く、誰よりも忠実に実行することである。社長の方針に素直に従うことは、社長と価値観を共有することであり、なるべく社長のそばにいることが大切である。
・役員は社長の決定を1日で実行する必要がある。1日ですませるには、今自分がしている仕事を部下に割り振ることである。仕事にスピードを要求される時は優先順位を付ける。大切なことは「最後に指示されたことを最初にやる」ことである。
・管理職にとって、周囲の力を上手に借りることは大切である。すべてを丸抱えにして愚直に頑張るのは、あるべき姿ではない。
・職責の高い社員には「報告」が求められる。社長は、迅速な決定のためにもリアルタイムで情報が欲しい。特に悪いことは何よりも早く報告することが大切である。
・管理職ならば、異動を「部下や自らのスキルアップの好機」とポジティブにとらえる必要がある。
・管理職は、常にポジティブでいること。
部下を育てよう
・管理職にとって部下の教育が最も重要なものである。一番素晴らしい管理職とは、本人がいなくても業務がこなせる体制をつくっている管理職である。
・部下に仕事を指示する場合、期限を切り、途中経過をチェックして最後までやり遂げさせることが大切である。また、仕事の指示は具体的に行い、内容は必ず1つにすることが原則である。
・管理職が管理するのは「仕事」であり「人間」そのものではない。部下を叱る時には、その人がやった「こと」について話すことが大切である。
・部下への指示は「やること」だけでなく「やめること」も命じなければならない。やめることを指示しないと、無駄な仕事が蓄積していく。