なぜ人は退屈するのか?人は退屈にどのように向き合うべきか?
何をしてもいいのに、何もすることがない。何かに没頭したい、打ち込みたいという人に対して、暇と退屈について解説し、新しい生き方のヒントを与えてくれる1冊。
資本主義の全面展開によって、少なくとも先進国の人々は裕福になった。そして、時間的余裕、暇を得た。だが、暇を得た人々は、その暇をどう使って良いのかわからない。何が楽しいのかわからない。自分の好きなことが何なのかわからない。
そこに資本主義がつけ込む。文化産業が、既成の楽しみ、産業に都合の良い楽しみを人々に提供する。今では労働者の暇が搾取されている。人は退屈することを嫌うから、与えられた楽しみ、準備・用意された快楽に身を委ね、安心を得る。
人はなぜ暇のなかで退屈してしまうのか、我々は退屈とどう向き合うべきか。
人が退屈するのは、脳の能力が発達し、環世界を自由に移動できるからである。
(一つの世界にひたっていることができない)
我々は人間であることを楽しみ、楽しみを学び、思考することによって、退屈から逃れることができる。
著者 國分 功一郎
1974年生まれ。高崎経済大学経済学部准教授 専攻は哲学。著書に『スピノ ザの方法』がある。
日本経済新聞 東京経済大学 教授 桜井 哲夫 |
BRUTUS (ブルータス) 2012年 1/15号 [雑誌] |
PRESIDENT (プレジデント) 2013年 8/12号 [雑誌] 編集者 斎藤 哲也 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
まえがき | p.7 | 4分 | |
序章 「好きなこと」とは何か? | p.13 | 13分 | |
第一章 暇と退屈の原理論──ウサギ狩りに行く人は本当は何が欲しいのか? | p.31 | 27分 | |
第二章 暇と退屈の系譜学──人間はいつから退屈しているのか? | p.69 | 21分 | |
第三章 暇と退屈の経済史──なぜ“ひまじん”が尊敬されてきたのか? | p.99 | 30分 | |
第四章 暇と退屈の疎外論──贅沢とは何か? | p.141 | 40分 | |
第五章 暇と退屈の哲学──そもそも退屈とは何か? | p.197 | 36分 | |
第六章 暇と退屈の人間学──トカゲの世界をのぞくことは可能か? | p.247 | 33分 | |
第七章 暇と退屈の倫理学──決断することは人間の証しか? | p.293 | 31分 | |
結論 | p.337 | 14分 | |
あとがき | p.357 | 4分 |
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