選手育成に成功している理由
他のビッグクラブが大金を使って有名選手を他クラブから獲得しチームの強化を試みているなか、FCバルセロナは多くのカンテラーノ(同クラブの下部組織の選手)の活躍によって支えられている。
現在の中心選手であるプジョル、ピケ、シャビ、イニエスタ、メッシなどは全員カンテラーノであり、ピッチに立っている選手11人中8、9人がカンテラーノの時も珍しくない。つまり、世界のトップレベルにおいて「勝利と育成の両立」を実現している。
FCバルセロナのカンテラから、次々に世界のスーパースターが登場する理由は以下の通りである。
①育成した選手を積極的にトップチームに昇格させて試合で起用する文化がある
②トップチームからカンテラの最年少カテゴリーまで、同じ戦術、システムを教える
③トップチームの一員に必要とされるメンタリティを早くから教える
トップチームから最年少チームまで、統一感があり、トップチームで活躍する姿を想像しやすくすることで、選手のモチベーションを高めている。
人材育成で大切にされていること
・サッカー選手を育てるという以前に、子供の人格を健全に発達させることを目的にしている。
・品格のある戦い方で自分自身の最高のパフォーマンスを出し切ることこそ、真の勝利としている。
・勝ち続け、勝つことを習慣付ける。勝者のメンタリティーを鍛える。そのため、指導者は「力を出し切れば勝てる」というレベルを見極め、そのギリギリのところで目標設定・環境設定をしてあげる。
・きちんと選手と面と向かって対話の場を持ち、率直にうそをつかずに向き合う。
・アメとムチ、愛情と規律をもって接する。
・子供の長所が伸びるには試合に出て競い合う必要がある。時には試合の結果よりも育成を優先している。
・サッカーに対する子供の情熱が枯渇しないように気を配っている。
・子供たちに成功する機会、失敗する機会を与える。
・日々クリアすべき小さい目標も設定する。
・子供にはプレッシャーを与えない。
・競争心は選手の成長には欠かせない。しかし、競争するからといって常に勝たなければならない訳ではない。勝敗は別として競争することが大事であるとしている。
選手の言葉
「一流になるには、競争心が強くないといけない」 カルレス・プジョル
「努力すればするほど、幸運がやって来る。全くその通りだ。」 シャビ・エルナンデス
「チーム内で大切なのは敬意だ。友情よりずっと大切なことだ」アンドレス・イニエスタ
「到達することよりもとどまり続ける方が難しい」リオネル・メッシ