ラーメンの現代史を紹介しながら、その背景にある思想や時代を切り取っている。なぜラーメンが国民食と呼ばれるまでになったのか?なぜラーメン業界では、和風なイメージが定着したのか?
ラーメンの歴史に関するウンチクが満載。
開国後の日本において、明治時代に中国から伝わったラーメンは、日本で独自の進化を遂げ、すっかり日本の料理となり、いつのまにか国民食とまで呼ばれるようになった。
日本人は古来、外から伝えられた技術を創意工夫によって、自分たちに適したものに作り替えることを得意としてきた。稲作技術、火縄銃、自動車、半導体、アニメやゲームなど。ラーメンもまた、こうしたケースに加えることができる。
かつて中国文化の装いを持っていたラーメン屋の意匠は、すっかり和風に変わった。さらに作務衣風の衣装をまとった定員や手書きの人生訓が壁に掛けられているようなラーメン屋が主流になった。このようなナショナリズムの思想がラーメンに入り込んできたのも、人々の歴史や伝統を取り戻そうという意思なのであろう。
著者 速水 健朗
1973年生まれ。ライター、編集者 大学在学中よりアルバイトしていたアスキーにて契約編集者を務めた後、2001年よりフリーランスとして活動中。専門分野は、メディア論、都市論、ショッピングモール研究など。TBSラジオ『文化系トークラジオLife』にレギュラー出演中。
週刊 ダイヤモンド 2011年 11/19号 [雑誌] 丸善 丸の内本店「松丸本舗」売場長 宮野 源太郎 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
日本経済新聞 社会学者 難波 功士 |
Passion For The Future 橋本 大也 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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まえがき | p.3 | 4分 | |
第一章 ラーメンとアメリカの小麦戦略 | p.15 | 23分 | |
第二章 T型フォードとチキンラーメン | p.55 | 26分 | |
第三章 ラーメンと日本人のノスタルジー | p.101 | 20分 | |
第四章 国土開発とご当地ラーメン | p.135 | 28分 | |
第五章 ラーメンとナショナリズム | p.183 | 46分 | |
あとがきにかえて | p.263 | 6分 |
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中国から伝わったラーメンが、やがて和風を装い、日本の伝統的な文化を受け継いでいるかのように見せているという視点が興味深い。
2011-11-30
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