リーマンショック、大震災といった危機を乗り越え、業績を急回復させた企業は何をしてきたのかを分析している。サムスン、日本電産、ユニ・チャーム、日産、コマツなどの事例をもとに、停滞する日本企業の活路を提案している。
危機にどう対処し、どう克服するかは、組織や人が存続するために欠くことのできない英知である。この英知を如何にして培い、磨き上げるかが、今まさに問われている。本書はこの基本テーマに応えるものである。
大震災に見た未知の企業競争力として、2つの共通点が挙げられる。
第一に、過去の経験を深く内省していることである。危機時に優れた意思決定をした企業の多くは、過去の過ちや反省を踏まえた行動をとっていた。
第二に、本部と現場における「共振化」である。震災時の「裏舞台」は、取りも直さず平時に構築されたものだ。日頃の積み重ねが、危機時の迅速で柔軟な対応に繋がる。
つまり、経営力を現場力に結びつけることが、危機を超える経営である。
著者 伊藤 邦雄
1951年生まれ。一橋大学大学院商学研究科 教授 1984年一橋大学助教授。1987~88年スタンフォード大学フルブライト研究員。1992年一橋大学教授。1996年商学博士(一橋大学)。2002~04年一橋大学大学院商学研究科長・商学部長。2004~06年一橋大学副学長。 現在、一橋大学大学院商学研究科 教授。 通産省通産研究所特別研究官、公正取引委員会・持株会社検討委員会委員、大蔵省証券取引審議会委員、日本証券アナリスト協会証券アナリスト試験委員、税理士試験試験委員などを歴任
GLOBIS.JP グロービス経営大学院教員 荒木 博行 |
週刊 東洋経済 2011年 10/22号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 危機にどう立ち向かうか | p.1 | 28分 | |
第1部 危機耐性力 | p.39 | 71分 | |
第2章 リーマンショックが残した爪あと | p.39 | 15分 | |
第3章 いかにして危機を乗り越えたか | p.59 | 26分 | |
第4章 危機を素早く感知する | p.95 | 12分 | |
第5章 高速回転する | p.111 | 9分 | |
第6章 危機意識を熟成する | p.123 | 10分 | |
第2部 危機進化力 | p.137 | 86分 | |
第7章 もうひとつの深刻な危機 | p.137 | 15分 | |
第8章 超ものづくり高付加価値モデル | p.157 | 15分 | |
第9章 新興国最適化モデル | p.177 | 32分 | |
第10章 差異恒常化モデル | p.221 | 25分 | |
第3部 リーマンショック、構造的危機、大震災を超えて | p.255 | 54分 | |
第11章 危機突破の行動原則 | p.255 | 26分 | |
第12章 大震災に見た未知の企業競争力 | p.291 | 28分 |