世界標準の仕事で大切なこと
世界標準の仕事のルールで最も大切なことは「リーダーが、構想を示して、適切なメンバーを集めて、プロジェクトとして仕事を進める」ことである。つまり、「リーダーシップの発揮」と「プロジェクト化」が鍵となる。
リーダーシップのためのルール
①人の前に(文字通り)立つ
幹事役でも、事務局でも、偉そうにしなくて良いので、人の前に出て、方向を示す動作をとる。人前に立つと自分にかかる圧力が違う。この圧力に慣れて、人前に出てもあがらない、人前に立つと力が出てくる、こうなってリーダーとなる。
②会議では3番目までに発言する
他人より先に考えを出して、他人の意見や行動を引き出すことが大切である。発言する際には、人々の目を見ながら話すと、アイデアが出る。「視線合わせ」を使いながら、対話のリズムを作り出すのがコツである。
③結果イメージを描く
指標(何を)と水準(どこまで)を明確に特定し、結果イメージを描かなければ、人を動かせない。
④3拍子で話しながら考える
「現状→正反対→ギャップ解消(第3の道)」や「WHAT→WHY→HOW」のパターンでストーリーを語ると、物事を考えながら話すことができ、突発的なことにも対応できる。
⑤違和感を大切にする
新しいことは、ほとんどの場合、異なるものの組み合わせから生じる。違和感はイノベーションにとって重要なことである。
⑥20人に構想をぶつけて意見を聞く
自分だけで考えた構想は、独りよがりで浅い構想にとどまる。多様な意見を1つの構想に結集することが大切である。
プロジェクト化のためのルール
プロジェクト的仕事は次の7ステップで進める。
①課題を明確にする(WHY)
課題は「結果と理由」を明らかにしておく。
②目的・ゴールを設定する(WHAT)
課題や目的・現状間のギャップを明らかに示す。
③解決策(複数)を仮説として出す(HOW)
④解決策策定・実行スケジュール化する(詳細HOW)
計画の前提となるプロジェクトの定義や計画自体の精緻さ、計画がずれた時の打ち手などをあらかじめ十分考えておく。
⑤役割分担を決める
アクションプランまではじめに設計図として書く。
⑥実施しつつ、モニタリングする
仕事全体を切り分け、一人ずつに割り振る。切り分けた仕事を時系列で並べ、週ごとに進捗状況をチェックして、タスクを切り直す。
実施にあたっては、時間を効率化するため、プロジェクトの早い段階で、意思決定者の時間を確保して、方向性について確認し、助言や指示をもらうことが大切である。
⑦最終評価を行い、学習事項を整理する
節目(マイルストーン)ではヒトが本気で評価することが大切である。