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個性を極限までつきつめ、アップルの戦略へと昇華させたのがスティーブ・ジョブズだ。

フォーカス

1997年7月、ジョブズはアップルに復帰して、数週間かけて現状調査を行った。深刻な財政事情を踏まえ、「アップルに必要なのは集中」と結論付け、広がりすぎた製品ラインアップの整理が最も重要と判断した。そして、2×2のマトリクスを書き、「コンシューマー」「プロフェッショナル」×「ポータブル」「デスクトップ」からなる、4象限で製品戦略を整理し、そこにフォーカスした。

フォーカスすることは製品そのものの企画・開発・サービス設計においても貫かれ、「機能過多」は禁物、何事もシンプルを心がけるという、アップル製品に貫かれている卓越性につながっている。アップルのデザインプロセスにおいて最も重要な要素は、「簡素化」であり、何をしないかを決めることである。

顧客に聞いてもニーズは出てこない

顧客志向とよくいわれる昨今において、顧客に聞いても真のニーズは出てこない。スティーブ・ジョブズは市場調査をしない、顧客が気づいているようなニーズではなく、新しいライフスタイルを提案すること、それをシンプルに伝えることにフォーカスしている。

細部へのこだわり

ジョブズは完璧志向であり、終始徹底して細部に無類のこだわりをみせる。ジョブズの完璧志向、卓越性の追求は、アップルの優れたデザインのカギである。ジョブズにとってデザインとは、装飾や色合いや細かな様式のことではなく、デザインとは製品の働きそのものである。形式ではなく「機能」。顧客がアップル製品を買って開梱するときのことも考え、パッケージにもこだわり抜いた。

ジョブズは何から何までコントロールしなければ気がすまず、全体を考え抜くことで、シームレスなユーザー体験を生んだ。すべてが完璧でなければ納得できない性格が、アップルという企業を作り上げたのだ。