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2012/05/14更新

日本の魚は大丈夫か―漁業は三陸から生まれ変わる (NHK出版新書 360)

160分

5P

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漁業を復興させるのに必要なこと

乱獲による資源枯渇と魚価安で、衰退の一途を辿る日本の漁業の現状を紹介している。

日本においては、漁業は衰退産業であるが、世界的には成長産業である。
なぜ、日本の漁業がダメなのか?
その問題点を分析しながら、今後漁業を復活させるにあたって必要なことを提言しています。

超短要約

■三陸の漁業の現状
岩手、宮城、福島の県内総生産に占める漁業の割合は、それぞれ0.7%、0.7%、0.2%に過ぎない。三陸においても、地域経済全体からみれば、漁業の規模は小さい。しかし、沿岸などの地域では、漁業以外の選択肢がない。漁業の重要性は、経済規模だけで語ることはできない。

岩手県には111、宮城県には142の漁港が存在する。拠点港のある地域以外では、狭い面積に小さな漁港が密集し、それぞれ100人程度の集落を形成している。こうした集落では例外なく高齢化が進み、数人の顔馴染みしか魚を買いに来ないような規模で細々と漁を続けている。バラまき行政は、そんな港に産業規模に合わない立派な港湾設備を建設してきた。

水産業を復興するにあたって、インフラだけを元の状態に戻すだけでは未来はない。以下の新しい水産モデルを作ることが大切である。

①被災地支援型の資源管理(漁獲量の枠を制限)
②経営統合による協業化・企業化
③加工流通業者を巻き込んだマーケティングの実施

著者 勝川 俊雄

1972年生まれ。三重大学生物資源学部 准教授 専門は水産資源管理と資源解析。東京大学海洋研究所助教を経て現職。日本水産学会論文賞および日本水産学会奨励賞を受賞。 研究の傍ら、政策提言のほか、漁業者や消費者とともに、持続可能な水産資源管理や漁業の制度改革に向けて活動を行う。

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JPモルガン証券 株式調査部 チーフストラテジスト 北野 一
日本経済新聞 日本経済新聞
資源・食糧問題研究所代表 柴田 明夫

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
p.7 4分
第1章 三陸漁業者はいま p.15 16分
第2章 花形産業から斜陽産業へ p.43 16分
第3章 儲かる漁業の方程式 p.71 19分
第4章 漁業は自己改革できるか p.105 16分
第5章 新しい水産モデルを三陸から p.133 19分
第6章 水産物の放射能汚染について最低限知っておきたいこと p.167 29分
あとがき p.217 3分

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