短期的な失敗で諦めてはいけない
ジョブズは、自分がアップル社に招いたスカリーによって、アップル社を追放されてしまった。しかし、ネクスト社、ピクサー社において、試練に耐えて、大きく成長した。
浮き沈みは経営者の常である。目先のかっこ悪い現実に足をすくめていては、長期的な、本当の栄光には決して近づけない。
問題解決力よりも、問題発見力
ジョブズがネクスト社をハードウェアで羽ばたかせたいと走り回っているとき、デル・コンパック・IBMは実はハードには興味がなく、OSを高く評価していた。
好きなことに目が奪われると、その隣にある本当の成功への招待状をつい見逃すものだ。
失敗するなら徹底的にやって、徹底的に失敗しろ
ネクストは主力のハードウェア製品では全く成功しなかったが、ハードと同等以上に情熱を注いで開発していたOSが、のちにジョブズを救うことになった。
失敗を恐れず全力で打ち込めば、はじめに求めた成功がつかめなくても、別のチャンスを手にすることがある。
一瞬の成功に酔いしれてはいけない
iPodが成功した理由のひとつには、バージョンアップを短期間で連打したことがある。メモリー容量のアップ、ウィンドウズ対応、音楽配信サービスなどがある。一方で、マッキントッシュは素晴らしいスタートダッシュに関わらず、失速した。
成功の余韻に浸っている時間が長ければ長いほど、より大きな失敗が口をあけて忍んでくる。
時流を待つ
ピクサーは何度も経営危機に瀕したが、それを乗り越えたからこそ、ディズニーから「トイストーリー」制作の話が舞い込んだのだ。その間ピクサーは、宝くじやガム、飲料水などのテレビCMなど、大した金にもならない仕事でも全力でこなし、生きながらえてチャンスを待った。
欲しい結果が来るまで、じっと待ってみることだ。
相手の立場を考えない
ジョブズは、ディズニーのCEOマイケルアイズナーに対し、ピクサーの契約期間途中にもかかわらず契約内容の変更を求めた無鉄砲な交渉は、ディズニーを単なる配給会社扱いにまで屈服させて、ピクサーに多大な利益をもたらした。
相手の立場など考えずに行動する空気を読まないKY思考が、思いもかけない良い結果をもたらすこともある。ただし、これは並外れた信念がなければ役に立たない。
地道な努力を飽きることなく続けること
ネクスト時代、ジョブズは市場を見ないで戦う武器を準備してしまい、ライバル企業の戦略を無視して兵隊を戦線に送り出す愚作を重ねてしまった。
一方で、小さな相手として馬鹿にしていたマイクロソフトは、ライバル製品の良いところを辛抱強くまねしてはバージョンアップを繰り返し、自分達の製品に盛り込んで売れる商品に仕上げた。ゲイツは地に足ついた経営で、世界一のソフトウェア会社を作った。