2011年1月に米国で刊行されると、政策形成関係者や経済論壇で様々な議論を巻き起こし、論争の焦点を変えた本。
景気低迷の理由をこれまでと異なる視点から解き明かしている。
米国が景気後退から抜け出せない理由は、イノベーション(技術革新)が停滞しており、雇用を十分に生み出せていないためである。
18世紀以降、産業革命は経済成長をもたらしたが、現在は成長を牽引する新たな革命が起きていない。近年の経済発展は、金融危機によりバブルであったことが証明された。政府支出、医療、教育の分野が拡大しても、生産性は向上せず、見かけの経済成長が伸びるだけで、実態はそれほど成長していない。
これからは、インドや中国がイノベーションの担い手としての役割を高めることや、インターネットにより、科学者の知識向上が図られ、イノベーションをもたらす可能性がある。
著者 タイラー・コーエン
1962年生まれ。ジョージ・メイソン大学経済学部教授 2011年2月に「エコノミスト」誌で「世界に最も影響力をもつ経済学者の一人」に選ばれる。
週刊 ダイヤモンド 2011年 10/29号 [雑誌] ブックファースト 仕入企画担当 平井 直子 |
日本経済新聞 2回目 |
成毛眞ブログ 成毛 眞 |
TOPPOINT |
日本経済新聞 明治大学教授 畑農 鋭矢 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 「容易に収穫できる果実」は食べつくされた | p.21 | 16分 | |
第2章 経済の生産性はみかけほど向上していない | p.47 | 16分 | |
第3章 インターネットはなにを変えたのか? | p.73 | 8分 | |
第4章 容易に収穫できる果実の政治学 | p.87 | 11分 | |
第5章 深刻な金融危機を招いた「真犯人」 | p.105 | 10分 | |
第6章 出口はどこにあるのか? | p.121 | 7分 | |
解 説 「夢の未来」が失われた後の経済学 | p.149 | 10分 |
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