能力を認めてもらうにはまず数字
ビジネスマンが能力を認めてもらうためには、とにかく最初は数字である。数字を上げて上司や周りに認めてもらうことから始めなければ、いつまでも何もさせてもらえないまま時間だけが過ぎていく。
「イエスマン」になること
新人から一人前になるための近道は、まず「イエスマン」を完璧に演じることである。自分がやりたいことをやらせてもらうためにも、この修行は避けられない。
ex. 音楽ディレクターがミュージシャンのライブの楽屋に行った場合
「今日のライブはどうだった?」
「すごく良かったんですけど。ちょっと一つだけ、2曲目のジャジーなナンバーだけ、ベースが効きすぎていたいたんじゃないかと・・・それ以外は最高でした。」
この夜から、ミュージシャンはこのディレクターを信用しない。布袋寅泰さんは、こう言っている。「ミュージシャンはやっぱりライブが命なんだ。だから、ライブが終わった直後には『今日のライブも最高だったよ』って言ってもらいたいね。もし問題があったときには、演奏している自分たちが一番、分かっているんだからさ」
もし、ライブに問題があれば、後日マネージャーに伝えれば良い。ライブ後はとにかく「最高でした!」で良い。「イエス」を積み重ねていくことで、仕事の人間関係は熟成されていく。「どこの馬の骨ともわからない奴」がイエスと言い続けることによって、次第に「自分と、自分の才能に惚れ込んでくれている関係者」に変わっていく。
「イエスマン」に必要なこと
同じ「イエスマン」でも、自分の存在感をどれだけ巧みにアピールできるかが肝心である。ただ「イエス、イエス」と言うだけでは、相手も信用してくれない。
ex. オノ・ヨーコさんのアルバムのタイトルを付けた時の場合
「このアルバムだけど『無限大宇宙』というのでは、どうかしら」
「素敵なタイトルですね。もちろん、誰でも意味はわかるとは思うのですが、ちょっと日本語には助詞が必要な気もしますので。助詞を入れて『無限の大宇宙』は、すごく良いタイトルだと思います。」
「じつは『無限大の宇宙』も考えにあるの」
「語呂だけ考えてみると、『無限の大宇宙』がスムーズな印象もありますが、どちらにしても素敵なタイトルです。」
「じゃあ、『無限の大宇宙』にしましょう」
ただのイエスマンであれば、「はい、わかりました」で終わる。自己演出として、「ある場合には自分よりもモノを知っている人間だけれども、その人間はまぎれもなく忠実なイエスマンである」ということを相手に知ってもらうことが大切である。