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2012/03/11更新

ポスト3.11のマーケティング 企業は、消費者は、どう変わるか?

170分

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「需要創造」から「最適配分」へ

震災後のマーケティングに起こる大きな変化の一つは『「需要創造」から「最適配分」へ』と考えられる。需要を喚起する広告コミュニケーションが本当にニーズを顕在化する可能性があるところに投下できているか、今まで以上に検証される。

無駄な広告投下は情報過多な消費者側にとっても、ありがたいものではない。コミュニケーションも最適化が志向され、企業が最適化を行う装置は自社メディアでなくてはならない。

コミュニケーションの最適化

マーケティングコミュニケーションの最適化は3つの要素からなる。

①過不足なく
②効果と効率の両立
③最も適切な対象者に適切なタイミングで

今は、ソーシャルメディアで、自社ブランドと競合ブランドがどのような評価をされているのか、パワーバランスがどうか、時系列でどう変化しているかを視覚化することができる。
テレビ広告の投下量が、消費者のマインドシェアに直結する訳ではない。広告の投下量だけで競合との優位性を判断するのではなく、投下によって消費者がリアルタイムにどの程度どんな反応をしているか測定しながら、最適なメッセージ内容と投下量を判断すべきである。

そして、特定の商品カテゴリーやブランドへの興味・関心が少しでも顕在化しているユーザーを感知し、見込み客との特別な関係を構築するために、コンテンツやサービス提供する会員化などの仕組みが有効である。

見込み客を丁寧にキープし、長く継続的なマーケティング活動を用意しないまま、プッシュ型広告を大量に使っても、「過不足なく」という最適化は果たせない。

最適化は、マーケティングROIを把握することから始まる。マーケティング活動がどういう効果・効率を持っているか、どういう対応がその活動を改善するのかを把握するために、マーケティング装置が必要になる。そのため、トリプルメディア(買うメディア、所有するメディア、評判や信頼を得るメディア)で派生するデータをダッシュボード(計器盤)としてデータ管理する必要がある。

今後、広告主が広告の配信先データベースを自ら所有し、媒体社の掲載面だけを買って、最適な配信対象にのみ、最適なメッセージを、最適なタイミングで配信することが可能になる。広告を打つ側が、ネットユーザーの中で「今この広告を打つべき相手」を把握できていれば、広告コミュニケーションの大きな基盤になる。

消費者意識の変化が必然となっている今、企業マーケターは「真のニーズ」「消費者インサイト」を掴み損ねることがないようにしなければならない。ソーシャルメディアの観測を実現するツールを活用し、どれだけ意味を読み出せるかが問題となる。

震災後のマーケティングは、こうしたことができる企業とできない企業の優劣を決定的にする。